【完全ガイド】健康経営とは?進め方から施策事例、優良法人取得まで担当者向けに徹底解説

「上司から『健康経営、よろしく!』と丸投げされて、何から手をつければいいか途方に暮れている」「具体的な施策を考えたいけど、自社に合った取り組みが見つからない…」
健康経営の担当者になったあなたの、そんな“最初のつまずき”を解消します!
この記事は健康経営の基本から具体的な実践ステップ、すぐに真似できる施策アイデア、そして目標となる「健康経営優良法人」の取得までを、一本のストーリーとして解説する「完全ガイド」です。
この記事を最後まで読めば、あなたの頭の中にあるモヤモヤが晴れ、明日から何をすべきか、自信を持って第一歩を踏み出せるようになります。
さらに、各ステップの具体的な施策や事例については、詳細記事へのご案内もしています。ぜひこのページをブラウザの「お気に入り」に登録し、“健康経営推進の司令塔”としてご活用ください。
1. いまさら聞けない「健康経営」の基本|なぜ“投資”と言われるのか?
「そもそも健康経営って何?」と聞かれた際に、自信を持って答えられるようになりましょう。経営層を説得するための材料もここにあります。
1-1. 健康経営とは?30秒でわかるサマリー
健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。単なる福利厚生ではなく、企業の生産性や価値向上を目指す「未来への戦略的投資」と位置づけられています。
特に近年、「人的資本経営」(従業員を資本と捉え、その価値を最大限に引き出す経営手法)が重視される中で、その土台となる従業員の心身の健康、すなわち健康経営が、企業の持続的成長に不可欠だと認識されています。
1-2. “良いことずくめ”は本当?健康経営がもたらす嬉しい効果
健康経営は、企業と従業員の双方に具体的なメリットをもたらします。
- 生産性の向上: 従業員の心身のコンディションが整うことで、プレゼンティーズム(出社はしているが不調でパフォーマンスが低い状態)やアブセンティーズム(心身の不調による欠勤、遅刻など)が改善。経済産業省の調査では、プレゼンティーズムによる企業の損失は、医療費の数倍にものぼると言われており、この「見えない損失」の改善は業績に直結します。
- 人材の確保と定着: 就職活動において、学生や求職者は企業のウェルビーイングへの配慮を重視しています。「社員を大切にする会社」という評判は、採用競争力を高め、入社後のエンゲージメント向上と離職率低下にも繋がります。
- 企業価値の向上: ESG投資(環境・社会・ガバナンスを重視する投資)が世界的な潮流となる中、健康経営への取り組みは「S(社会)」の評価を高めます。株価や企業ブランドイメージに好影響を与えた事例も報告されています。
とはいえ、「効果が出るまで時間がかかりそう」「コストが心配」といった声も気になりますよね。そんな初期段階での疑問に答えるための具体的な説得材料やデータを、こちらの記事で詳しく解説しています。
2. 【この通りに進めればOK】健康経営・実践ロードマップ4つのSTEP
次は「何から手をつけるべきか」を解決するための具体的な手順を4つのステップで解説します。この通りに進めれば、大きく道を外すことはありません。
2-1 宣言と旗振り役の決定【準備編】
アクション① 経営層からの発信: まず、経営層から「健康経営を推進する」旨を社内外に宣言します。これが全ての土台となり、全社的な協力を得るための「大義名分」となります。従業員に腹落ちして健康経営に関する取り組みに参加してもらうためにも重要なステップといえます。
アクション② 推進体制の構築: 担当者一人で抱え込まず、チームを作りましょう。人事・総務担当者を中心に、産業医や保健師、経営層、そして各部署から代表者(若手や中堅社員がおすすめ)を巻き込むことで、実効性のある施策が生まれやすくなります。また、推進チームに産業医が入ると、施策がぐっと本格的になります。産業医との上手な連携方法や、協力をお願いできることについては、こちらの記事をご覧ください。
2-2まずは自社の健康診断から【課題発見編】
アクション① 健康課題のデータ分析: 以下の4つの視点から、客観的なデータを集めて自社の弱点を把握します。
- フィジカルデータ: 定期健診の受診率、有所見率、BMI、喫煙率など
- メンタルデータ: ストレスチェックの集団分析結果
- 勤怠データ: 平均残業時間、有給休暇の取得率、休職者数
- 従業員アンケート: 健康に関する意識調査、満足度調査など
データを集めたものの「で、うちの課題って何だろう?」と悩むのはよくあることです。自社の課題を見つけるヒントや、よくある課題の解決策を以下の記事で紹介しています。
2-3いよいよ施策をスタート!【計画・実行編】
アクション① 具体的な目標(KGI): STEP2で見つかった課題に基づき、測定可能な目標を設定します。例えば、「ストレスチェックの高ストレス者率を2年で5%改善する」「運動習慣のある従業員の割合を1年で10%増やす」など、SMART(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限)を意識すると良いでしょう。また、KGIが設定後はKPIを設定していくとより細かく目標達成に向けた指標が確認できます。例えば「運動習慣のある従業員の割合を1年で10%増やす」というKGIを達成するために「年間3回以上運動イベントを実施する」「会社内でできる運動情報を毎月(年12回)発信する」などのKPIを設定すると目標達成に向けて具体的に何をすれば明確になってよいでしょう。
アクション② 施策の計画と実行: 目標達成のための施策を立案します。次の章で紹介するアイデアを参考に、自社の課題や文化に合ったものを選びましょう。ポイントは「スモールスタート」。まずは特定の部署で試験的に導入し、手応えを掴んでから全社に展開するのが成功の秘訣です。
2-4やりっぱなしにしない【評価・改善編】
アクション① 効果測定とフィードバック:施策実施前後にアンケートを取ったり、設定したKPIがどう変化したかを測定します。数値的な結果だけでなく、「施策に参加してどうだったか」という従業員の定性的なフィードバックが、次への改善の宝庫です。
アクション② 次年度計画への反映: 評価結果をもとに、効果のあった施策は継続・拡充し、そうでなかったものは見直します。このPDCAサイクルを粘り強く回し続けることが、健康経営を企業文化として根付かせることに繋がります。PDCAサイクルを回すことで目標とずれてないか?定期的に確認することができ、より大きな視点で健康経営を推進していくことが可能です。
3. 何から始める?明日から使える健康経営施策アイデア集
ここでは、多くの企業で導入されている具体的な施策を「目的」「アクション例」「成功のポイント」の3点セットでご紹介します。
3-1心の健康を守る【メンタルヘルスケア】
- 目的: ストレスによる不調の予防と早期発見、働きがいのある職場環境の醸成。
- アクション例: ストレスチェックの実施と結果の分析・活用、管理職向けのラインケア研修、相談窓口(EAP)の設置、リラクゼーションセミナーの開催。
- 成功のポイント: プライバシーへの配慮と、「相談しやすい雰囲気」の醸成が最も重要です。
3-2 メリハリのある働き方を【ワークライフバランス】
- 目的: 長時間労働の是正による心身の負担軽減、自己啓発や家族と過ごす時間の確保。
- アクション例: ノー残業デーの徹底、テレワークやフレックスタイム制の導入、時間単位有給休暇制度、PCの強制シャットダウン。
- 成功のポイント: 「早く帰れ」だけでなく、業務効率化の支援(ITツール導入など)とセットで行うことが不可欠です。
3-3パフォーマンスを上げる“食”の支援【食事改善】
- 目的: 生活習慣病の予防、食生活の乱れ改善、午後の眠気防止による生産性向上。
- アクション例: 社員食堂でのヘルシーメニュー提供、健康的な弁当の宅配・補助、オフィスへの野菜やフルーツの設置、管理栄養士による栄養セミナー。
- 成功のポイント: 「健康」を押し付けず、「美味しい」「お得」など、楽しみながら参加できる工夫が鍵です。
3-4“楽しく”体を動かすきっかけ作り【運動機会の増進】
- 目的: 運動不足の解消、生活習慣病の予防、コミュニケーションの活性化。
- アクション例: ウォーキングイベントの開催、アプリを使ったチーム対抗戦、オフィスでできるストレッチセミナー、階段利用の推奨キャンペーン。
- 成功のポイント: 運動が苦手な人も参加しやすいよう、競技性よりもゲーム性や気軽さを重視した企画がおすすめです。
3-5“いざ”という時も安心を【治療と仕事の両立支援】
- 目的: 従業員が病気や家族の介護に直面した際の離職を防ぎ、安心して働き続けられる環境の整備。
- アクション例: 短時間勤務制度や時差出勤、傷病休暇や介護休暇制度の拡充、両立支援に関する相談窓口の設置。
- 成功のポイント: 制度を作るだけでなく、全社員に周知し、「制度を使いやすい職場風土」を醸成することが何より重要です。
4. 取り組みの証を残そう!「健康経営優良法人」という目標
一連の取り組みは、社会的な評価を得ることで、さらに大きな力になります。
4-1. 認定取得で得られる“3つの勲章”
- 社会的な信頼(ビジネスチャンスの拡大): 認定ロゴは、顧客や取引先からの信頼を高めます。金融機関からの低利融資や、公共調達での加点評価など、実利的なメリットにも繋がります。
- 採用競争力の強化(未来の仲間へのアピール): 求人情報に認定ロゴを掲載することは、求職者への「当社は社員を大切にするホワイト企業です」という何よりのメッセージになります。
- 社員の誇り(インナーブランディング): 自社が社会的に評価されているという事実は、従業員のエンゲージメントや自社への誇りを育み、組織の一体感を醸成します。
取り組みが形になってきたら、ぜひ「健康経営優良法人」の認定を目指しましょう。認定のメリットや申請の流れ、評価を高めるためのポイントは、こちらの記事でわかりやすく解説しています。
5. まとめ:健康経営のはじめの一歩を踏み出すあなたへ
この記事では、健康経営の担当者様が知っておくべき全体像と実践ステップを、具体的なアクションを交えて解説しました。
健康経営は、全従業員を巻き込む壮大なプロジェクトです。担当者一人で抱え込まず、経営層や産業医、そして何より従業員自身を「仲間」として巻き込んでいくことが成功の秘訣です。
まずはSTEP2の「課題発見」からでも、STEP3の「できそうな施策」からでも構いません。 小さな一歩が、大きな変化を生み出します。
このガイドが、あなたの健康経営推進の道しるべとなることを心から願っています。
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