健康経営優良法人になっても意味がない? 誤解される理由や本当のメリットを紹介

「健康経営優良法人は意味がないって本当?」「どうすれば健康経営優良法人を意味あるものにできる?」
健康経営優良法人を目指すにあたり、上記のような悩みを抱える人事労務担当の方は多いでしょう。
健康経営に正しく取り組めている企業であれば、健康経営優良法人になることには意味があります。しかし、運用面での課題や情報共有不足が原因で、意味がないと誤解されることも多いです。
この記事では、健康経営優良法人になっても意味がないと誤解される理由や、実際に得られるメリット、意義ある取り組みにするためのポイントを紹介します。
この記事を参考にして、意味のある健康経営優良法人になることを目指しましょう。
健康経営優良法人になっても意味がないって本当?
健康経営の実態が伴っているなら、健康経営優良法人になることには意味があります。
健康経営優良法人になると健康経営を実現している企業であるとの客観的な証になり、企業イメージの向上や優秀な人材の採用に役立つからです。さらに、従業員の健康維持を通じて生産性の向上や業績の改善も期待できるため、経営の観点から見ても長期的に企業競争力を高める投資といえるでしょう。
一方で、「健康経営優良法人になっても意味がない」との声が一部で見られるのも事実です。意味がないと言われる声の多くは、運用面での課題や情報共有の不足が原因です。
つまり、制度としての「健康経営優良法人」に意味がないのではなく、意味のある取り組みとして活かしきれていないことが問題といえるでしょう。
なお、健康経営の進め方や施策事例について知りたい方はこちらの記事も併せて参考にしてみてください。
健康経営優良法人が意味ないといわれる理由

健康経営優良法人に意味がないといわれる理由は、次の3つです。
- 本質的な健康経営よりもブランディングが目的になりがちだから
- 手間や費用に対して効果を感じにくいから
- 知名度が低く社内外へのアピールにつながりにくいから
それぞれの理由について、詳しく解説します。
本質的な健康経営よりもブランディングが目的になりがちだから
本質的な健康経営ではなく、ブランディング目的で優良法人になることを目指していると、現場から「意味がない」といわれやすくなります。
本来健康経営とは、従業員の心身の健康を経営的な観点から重視して、組織の活性化や生産性の向上、さらに業績の向上を目指すものです。
しかし、なかには本質的な健康経営の実現よりも、自社のブランディングのために優良法人になることを目指している企業も存在します。実際はなかなか休みが取れない、残業が多いなど、実態が伴っていないのに健康経営優良法人になるための制度や取り組みを現場に強制していることも少なくありません。
そのため、目的によっては意味がないどころか、現場から手間のかかる余計なものとネガティブに捉えられることもあります。
手間や費用に対して効果を感じにくいから
取り組みにかかる手間やコストに対して目に見える成果を実感しにくいことも、健康経営優良法人が「意味がない」と言われる理由の一つです。
たとえば健康優良経営法人2025の認定要件では、次の5つの項目を満たさなければなりません。
- 経営理念・方針
- 組織体制
- 制度・施策実行
- 評価・改善
- 法令順守・リスク
参考:「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)認定要件」(健康経営優良法人認定事務局)
参考:「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)認定要件」(健康経営優良法人認定事務局)
これらの基準を満たすには、社内制度や職場環境を整える必要があります。企業によっては制度の新設や企業全体で新しく取り組みを始めなければならない項目も存在するでしょう。
しかし、健康経営の成果は従業員の健康や満足度などとして現れたとしても、売上や業績などの目に見える部分で顕著に現れるケースは少ないのが現実です。
結果として、手間や費用が増加しているのに効果がわかりにくく、意味がないといわれることがあります。
知名度が低く社内外へのアピールにつながりにくいから
健康経営優良法人は制度に対する知名度がまだそこまで高くないため、社内外へのアピール効果が薄く、意味がないといわれることもあります。
2019年に東京商工会議所で実施された健康経営に関する実態調査では、健康経営の認知度は次のとおりでした。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 内容を知っている | 29.0% |
| 内容は知らないが、聞いたことはある | 39.5% |
| 聞いたことがない | 31.5% |
参考:「健康経営に関する実態調査 調査結果」(東京商工会議所)
健康経営について十分に理解していない層は合計で71%にもなり、健康経営や優良法人の知名度は高いとはいえない状況です。
そのため、採用や営業活動などに効果的に活用できず、優良法人になるメリットがあまり感じられないこともあるでしょう。
また、経営層と現場で優良法人の制度に対する理解度に差があると、社内での取り組み姿勢にもばらつきが出てしまい、成果が見えにくくなります。
健康経営優良法人になるメリット

健康経営優良法人になるメリットは、次の3つです。
- 優秀な人材を確保しやすくなる
- 自治体や金融機関からの優遇措置が受けられる
- 高い株価のリターンが得られる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
優秀な人材を確保しやすくなる
健康経営優良法人になると、企業イメージがアップし優秀な人材を確保しやすくなります。
健康経営推進サイト「ACTION!健康経営」のデータによると、「企業の健康経営への取り組みが就職先や転職先を決める際の決め手になる」と回答した人は約60%です。また、「心身の健康を保ちながら働ける職場を望む」と回答した人も54.6%に達しており、健康経営は求職者にとって関心の高い要素といえます(※)。
そのため、健康経営優良法人になれば、求職者に「従業員の健康を大切にする企業」という印象を与えて、優秀な人材の採用や定着につなげやすくなります。
(※)「健康経営のメリット」(ACTION!健康経営)
自治体や金融機関からの優遇措置が受けられる
健康経営優良法人になると、自治体や銀行、保険会社などの金融機関から優遇措置が受けられることもメリットです。
健康経営優良法人は多くの自治体案件の入札で加点評価を得られて、案件を獲得しやすくなります。自治体案件の獲得によって企業の収益が安定すれば、従業員の給料や賞与の向上、待遇向上によるモチベーションアップにもつながる可能性があるでしょう。
また、銀行からの借り入れ金利の優遇や、保険会社の保険料の値下げを受けられることもあります。個人ローンや団体保険に優遇措置が適用されるケースもあり、従業員が金銭的メリットを感じやすい点も魅力です。
従業員の健康経営に対する意識が向上すれば、業績アップや組織活性化が見込めるため、経営の観点からもメリットは大きいでしょう。
高い株価のリターンが得られる
健康経営優良法人に認定されている企業は、株価のリターンが高くなる傾向にあります。健康経営を実現している企業では組織の活性化に伴う業績の向上が見込まれて、投資家からの期待感が高まるためです。
実際に、健康経営度調査のスコアが高い企業ほど、相対的に高い株価のリターンを低リスクで獲得できているとの調査結果が出ています(※)。
株価が高いと、次のようなメリットがあります。
- 資金調達が容易になる
- 高い企業価値に魅力を感じた優秀な人材が集まる
- 持株やストックオプション制度によって従業員のモチベーションが上がる
- 敵対的TOBの対象になりにくく、M&Aを有利に進められる
健康経営による株価向上は従業員にはメリットを感じてもらうことが難しい点ですが、企業経営の上では非常に重要なメリットです。
(※)「健康経営のメリット」(ACTION!健康経営)
健康経営優良法人を意味のあるものにするには

健康経営優良法人を意味のあるものにするには、次の3つのことに気をつけましょう。
- 健康経営に取り組む目的を会社全体で共有する
- 従業員が積極的に取り組みたくなる施策を行う
- 健康経営に取り組んだ結果を従業員にも伝える
それぞれの方法について、詳しく解説します。
健康経営に取り組む目的を会社全体で共有する
健康経営を意味のある取り組みにするためには、経営層から現場の従業員まで、全社でその目的を共有し、理解を深めることが重要です。
健康経営の成功には、従業員一人ひとりがその意義を理解し、自らの働き方や健康に対する意識を高めることが不可欠だからです。経済産業省も、健康経営を「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と定義しており、企業全体での取り組みが求められています(※)。
目的の共有方法としては、全体会議の場などで経営層に近い管理職、あるいは社長自ら直接メッセージを伝えるのが効果的です。掲示板やメールによる周知は情報が一方通行になりがちで、従業員の理解や共感を得るのが難しい場合もあるでしょう。
健康経営についてトップから熱意あるメッセージを発信することで、企業としての健康経営に対する意識が伝わり、健康経営を積極的に取り組もうと考えてもらいやすくなります。
(※)「健康経営」(経済産業省)
従業員が積極的に取り組みたくなる施策を行う
従業員が積極的に取り組みたくなる施策を行うことも、健康経営を意味のあるものにするためには有効です。
実際に健康経営を実現するのは従業員です。どれほど立派な計画を立てても、従業員の参加意欲がなければ施策は形骸化し、「意味がない」と感じられてしまいます。そのため、従業員が積極的に参加したくなるような仕組みづくりが重要です。
効果的な施策例としては、次のようなものが挙げられます。
- 健康経営の施策にインセンティブをつける
- 健康増進につながるような福利厚生を用意する
- 楽しみながら健康を目指せるイベントを開催する
企業の取り組み事例は「効果を出す健康経営~経営層251人に聞いた効果のあった取組~」で紹介しているため、自社に取り入れられそうなものを積極的に採用するとよいでしょう。
健康経営に取り組んだ結果を従業員にも伝える
健康経営の具体的な改善内容を従業員にも伝え、日々の活動が成果につながることを意識させることも必要です。自身が行ったことに対する結果にフィードバックがないと、従業員のモチベーションが継続せず「健康経営に意味はない」と思われるからです。
反対に、自身の取り組みがよい結果に貢献していると理解できれば、普段から意欲的に健康経営の施策に取り組めるでしょう。
結果は健康経営に直接関係する指標だけではなく、具体的な環境改善や業績アップに紐づけた内容を伝えるほうが望ましいといえます。従業員にも身近な就業環境や業績に関わる変化があれば、「健康経営は自分たちの働き方や会社の成果に影響がある」と納得感を持って健康経営に取り組んでもらいやすくなるでしょう。
健康経営優良法人に意味がないといわれないために自社に合った施策を取り入れよう
意味がないといわれることもある健康経営優良法人は、正しく健康経営に取り組んだ結果として認定されるのなら多くのメリットを得られ、意味のあるものとなります。しかし、運用面での課題や、経営層と従業員間の意識のずれから、意味がないといわれることもあります。
インセンティブや福利厚生を充実させるなど、従業員が意味やメリットを感じて積極的に取り組みたくなる環境や制度を作って健康経営に取り組みましょう。
なお、健康経営優良法人2025では、個人の健康・医療情報の管理や活用に関する質問が追加されています。
従業員一人ひとりの健康情報管理を無駄なく行い、健康経営の実現を目指すなら、ハピネスパートナーズの活用がおすすめです。
ハピネスパートナーズでは、これまで紙やエクセルで管理していた健康情報をシステムで管理できます。そのため、紙業務で発生するムダを削減しつつ健康経営の実現を目指せます。
健康経営優良法人のメリットを最大現に享受しつつ、健康経営実現のために手間や時間がかかるなどのデメリットを最小化したい方は、ぜひハピネスパートナーズをご検討ください。
\産業医の満足度92%、企業様の継続率97%/
健康経営/産業保健コラムシリーズ
企業に義務付けられている産業保健体制の構築から 健康経営の考え方・推進法まで幅広い話題をご提供。 これを読むだけで今求められている施策・対応への理解が進みます。






