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健康経営は最も費用対効果が高い睡眠改善から始めよう

2023.9.20
専門家コラム「健康経営は最も費用対効果が高い睡眠改善から始めよう」バナー

「夜中によく目が覚める」、「起きたときに疲れが取れていない」。こんなことを体験されている方、いらっしゃいませんか?


実はこれ、睡眠の質が低下しているサインです。眠っている間に記憶を含む頭の中の整理と体を休める機能を持つ睡眠ですが、生まれた頃から意識せず行っているだけに、その不調に気がつく人は、非常に少ないのが現実です。また、睡眠の質が悪くなることで、仕事でどんな問題が起きるのかも正しく把握されていません。


今回は、その点について、企業の睡眠改善を中心に行ってきたスリープコーチの角谷リョウさんに記事をご寄稿いただきました。

健康経営における睡眠とは

初めまして!スリープコーチの角谷リョウと申します。
今まで180社10万人以上の睡眠に悩むビジネスパーソンを快眠でスッキリ目覚められるようにサポートしてきた実績があります。

さて今日は、健康経営を始めるなら睡眠改善から始めるのが良いというテーマについてお話ししたいと思います。
まず健康経営については、コロナ不況の間も認定業社は増え続け、中小企業部門は直近の2023年では14,012社が認定と過去最高を更新しております。

健康経営とは、従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法のこと。
です。
ということは単なる従業員サービスや福利厚生ではなく経営手法なので、経営にプラスでなければやる意味がないとも言えます。
そしてどうせ行うのであれば、最大限効果が出ることを考えるべきです。

しかし実際には、できるだけ人員とコストをかけずに認定だけを取得できれば良いと考えておられる企業が大半です。
ただ健康はコストや生産性に置き換えたり換算することが難しいのでどうしてもそうなりがちです。

ただ・・それだと健康経営そのものの目的が失われてしまうので、色んな角度から学び健康から生産性を上げていくようにしていきましょう。

私たちは元々企業に「運動」や「食事の改善」も睡眠と同じようにサポートしていました。
そしてできるだけ、運動や食事の改善によって予測される生産性改善金額を試算してみると圧倒的に「睡眠」を改善した時が大きくなるのです。

たとえば経産省が出している「健康経営ハンドブック〜連携・協働による健康づくりのススメ〜(改訂第1版)」では睡眠を改善によって改善するプレゼンティズム金額は「食事の摂りすぎ」や「運動不足」の改善に比べて10倍近く改善効果があったりします。

睡眠改善で見られる効果

何より改善効果が分かりやすいのは、朝に元気な社員が増えることです。
いくら運動しても、良い食事を食べてもちゃんと睡眠が取れていないことが、最も病気やメンタルダウンに悪い影響があることも分かってきています。

まずは社員がちゃんとしっかり寝て、疲れが取れるようになることが重要なのです。そうすれば食事の改善効果も上がりますし、運動を始めようという元気も出てきます。

これはうつ症状の改善などにも繋がります。
例えば弊社で取ったQIDS-Jの一部データですが、睡眠の質を改善することで、抑うつ度をかなり改善させることに成功しています。

ちなみに睡眠で疲れが取れていないのに「運動」するとさらに疲れが倍増するという、悲しい事実もあります。
もしあなたの会社が健康を経営や生産性に活かしたいなら、睡眠改善をまず初めに検討してみることを強くおすすめしますね。

*この文章は、角谷リョウ先生の研究、事業、取り組みをもとに記事化したものになります。
そのため、一部独自の見解や内容が含まれている場合があります。ご了承ください。

角谷リョウ

by 角谷リョウ

LIFREE株式会社共同創業者。NTTドコモ、サイバーエージェント、損保ジャパンなどの大手企業をはじめ、計120社、累計6万5000人の睡眠改善をサポートしてきた上級睡眠健康指導士。日本サウナ学会学会員。神戸市役所を退職後、トレーナーとして独立。半年でスタッフを増員して移転拡大し、2年で4店舗と、このジャンルで関西トップクラスになる。神戸と大阪のトレーニングスタジオを経営しながら、自らもトレーナーとしてスタジオや企業で指導を行うエグゼクティブ専門のパーソナルトレーナーとして活動、のちに睡眠改善に特化する活動にシフトする。1回のセミナー参加で不眠症レベルの受講者の約70%が「正常範囲」まで改善。4週間の睡眠改善プログラムにおいては90%以上が「正常範囲」にまで改善している。著書に『エグゼクティブを見せられる体にするトレーナーは密室で何を教えているのか』(ダイヤモンド社)、『鍛えていないと稼げません──身体づくりで生産性をあげよう』(WAVE出版)。

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