千の提言

【千の提言#4】楽しさと遊び心を大切にー ANA流、従業員の巻き込み方:全日本空輸株式会社(ANA)

2024.11.7
【千の提言#4】楽しさと遊び心を大切にー ANA流、従業員の巻き込み方:全日本空輸株式会社(ANA)

これから「健康経営」を始める企業に向けて、「ホワイト500/ブライト500」を獲得した企業の失敗や成功の体験からヒントを掴んでもらうためのインタビュー連載「千の提言」。第4回は前回に引き続き、「健康経営」という言葉が当たり前になる10年も前からすでに健康に向けた取り組みを模索し始めていたという健康経営の先駆的企業、全日本空輸株式会社(ANA)にインタビュー。実際の施策や、推進のための工夫などについて具体的にうかがいました。

全日本空輸株式会社

1952年の創業以来、安全運航を第一に半世紀以上にわたって航空輸送サービスを提供している企業。現在では、年間旅客数が5,000万人を超える世界トップクラスの航空会社のひとつにまで成長。「ワクワクで満たされる世界を」の実現を目指し、さらなる飛躍に向けてさまざまな取り組みに挑戦している。

健康経営優良法人 受賞・認定歴

2016年度:健康経営優良法人ホワイト500認定
2017年度:健康経営銘柄選定・健康経営優良法人ホワイト500認定
2018年度:健康経営優良法人ホワイト500認定
2019年度:健康経営優良法人ホワイト500認定
2020年度:健康経営優良法人ホワイト500認定
2021年度:健康経営優良法人ホワイト500認定
2022年度:健康経営銘柄選定・健康経営優良法人ホワイト500認定
2023年度:健康経営銘柄選定・健康経営優良法人ホワイト500認定

山田 俊樹
全日本空輸株式会社

労政部 担当部長

戦略マップ作成に向け、ANAが注目する指標とは?

──前回は、健康経営について社内でのコンセンサスをはかるためには、納得度の高い戦略マップの作成が重要だというお話をうかがいました。戦略マップの作成には、注目指標や、それに基づいた企業独自のストーリー設計も大切だと思いますが、具体的に注目されている指標はありますでしょうか。

山田様継続的な運動習慣を持つ人の割合や良い食事習慣、あとは睡眠習慣。このあたりは基本だと思います。あとはBMIの適正者率、メタボの該当率もあります。ANA独自としては、女性では痩せの比率などにも注目しています。われわれは乗務員や空港で働く女性が多く、肥満より痩せている方が非常に多いんです。

私も昨年度まで海外の空港の現場で働いていて、当時は1日1万5000〜2万歩は歩いていました。日本にいた時よりも10キロぐらい痩せました。私の場合、ちょうど適正な体重になりましたが、私たちの現場での仕事は移動が多かったり、機内でもずっと立っていたりと、かなり体を使う仕事ではあるのですが、あまり過度に痩せてしまうのはよくないことなので、そうした数値にも注目しています。

最終的にどれをピックアップして組み立てていくのかについては、産業医の先生とも相談しながら考えていきたいと思っています。

健康施策の実施判断基準は?

──これまでさまざまな施策を実施されてきた中で、反響が大きかった施策はありますか?

山田様どの施策も“健康のため”ということで、基本的には非常にポジティブに受け止められることが多いのですが、なかでも社員の興味を引く目的も兼ねてここ数年やっているカゴメさんの「ベジチェック®」は反響が大きいです。遊び感覚でできるきっかけづくりも大事にしており、今ではベジチェック®の機械をレンタルして、全国の管理センターに導入しています。

去年よりも参加人数が増えていて、平均値も上がっているということで、結果もしっかり出ています。これまでは単にイベント的に施策を実施していた側面もありましたが、今後はこれらのデータも取得できているので、それらをストックして経年の変化を開示するなど、全体の設計をしっかりと考えていく予定です。

また、これまでやってきて感じるのは、「健康のため」と伝えても響かない人が多い、ということです。特に若い人には「自分には関係ない」と思われがちです。逆に、健康に目を向けるのが怖くて目をそらしている人もいるのではないかと思っており、そういった意味では、先にも申し上げましたが「楽しみながら」とか「遊び感覚で」などといった要素も重要なのかなと感じています。たとえば「歩Fes.」のように「みんながチームで競い合う」といったエッセンスのある施策も人気が出そうですね。

他にも、企業であれば「社会貢献」というキーワードがあってもいいと思っています。たとえば社内で目標を達成したら寄付を行うというような、健康とは違った視点も盛り込んだ企画があっても面白いのではないでしょうか。

──自発的にやりたくなるような仕組みが作れると、確かにいいですね!

そうなんです。健康ド直球ではなくて、みんなの興味に引っかかるところを絡めながら仕組み化していくことが大切ですね。われわれのような企画側の人間としても、そういった仕組みを作るための企画を考えるのは楽しいので、大事なこととしてそういった議論も進めていきたいです。

まずは健康経営の目標を見定め、社内での認識共有を

──では、これから新しく健康経営を始める企業へのアドバイスとして、始めるにあたってまずはどういうところに気を付ければよいと思われますか?

山田様:われわれも成功パターンがあるわけではないのですが、やはり健康系の目標やKPIをしっかりと定めて戦略マップを作成し、みんなで共有認識を持つことがわかりやすいステップだと思います。

日常では「健康が大切だ」ということにはなかなか目が向きにくいので、そういう戦略マップは大事ですし、いかに社内を巻き込むかという観点でいうと、先ほど申し上げたようなきっかけづくりの工夫、仕組み化、あとは推進するための体制づくりや社内に協力者を作っていくことなども重要だと思います。

そもそも健康経営の目的というのは、生産性の向上、社員の活力の向上、社員と家族の幸せづくりという部分が大きいかと思います。社員が「居続けたい会社」だと思ってもらうことと合わせて、採用競争力というところも視野に入れなければいけません。われわれは何か特別なことをやっているわけではありませんが、こうした「健康」の領域が企業の魅力となるように模索し続けていきたいです。

千の提言

千の提言シリーズ

取り組む企業が16,000社を超えた健康経営。 そのお手本とも言える「ホワイト500」「ブライト500」企業は どんな失敗をし、何に悩み、どう成功パターンを発見したのか。 各企業の担当者に秘伝とも言える話を伺います。

同じシリーズの記事

千の提言

【千の提言 #11】「サンキューポイント」がブライト500への架け橋に アロー独自の健康経営施策と未来への展望

GO100編集部 by GO100編集部
2025.9.24
千の提言

【千の提言 #10】「理学療法士として多くの人を健康に」 株式会社アローがブライト500を取り続ける理由

GO100編集部 by GO100編集部
2025.9.24
千の提言

【千の提言#9】健康データの一元化で施策を効率化 二次検診の補助など細やかなケアで受診率をアップさせた成功施策(ライオン)

GO100編集部 by GO100編集部
2025.6.16
千の提言

【千の提言#8】「従業員は協同者」の精神で働き方改革を実践!ベンチャー感あふれる100年企業の挑戦(ライオン)

GO100編集部 by GO100編集部
2025.6.13
【千の提言#7】あえて「紙」を戦略的に活用!健康を浸透させるための普及活動(キヤノンマーケティングジャパン)
千の提言

【千の提言#7】あえて「紙」を戦略的に活用!健康を浸透させるための普及活動(キヤノンマーケティングジャパン)

GO100編集部 by GO100編集部
2024.11.22

健康経営に関してまずはお気軽にご相談ください

お問い合わせする