【千の提言#1】「カゴメ流健康経営」のルーツは120年前にあり!

今や健康経営の代名詞となっている「ホワイト500/ブライト500」を獲得した企業たち。しかしそんな各企業も、初めは何も知らない状態からのスタートでした。連載企画「千の提言」では、これから健康経営を始める企業に向けて、健康経営の先鋭企業がこれまでに体験した失敗や成功の体験をインタビュー。健康経営を成功に導くためのヒントとしてご活用ください。
カゴメ株式会社
1899年に愛知県で創業された、日本を代表する野菜カンパニーで「自然を、おいしく、楽しく」という企業理念を掲げ、健康的な食生活の普及に貢献している。主にトマト製品や野菜ジュースを製造・販売するだけでなく、古くからトマトの栽培など、野菜の品種改良等にも取り組む。現在では、健康志向の食品や飲料、調味料など幅広い商品ラインナップを展開中。近年ではカリウム・ナトリウムに注目した「ナトカリ比」の普及や、皮膚カロテノイド量を測定し、野菜の摂取レベルを測る「べジチェック®」など、健康経営の普及・外部発信にも力を入れている。
健康経営優良法人 受賞・認定歴
2018年度:ホワイト500認定
2019年度:ホワイト500認定
2020年度:-
2021年度:-
2022年度:ホワイト500認定
2023年度:ホワイト500認定
湯地 高廣(ゆじ・たかひろ)
事業企画本部
健康事業部 健康サービス開発グループ 課長
カゴメの健康経営に精通しており、本人も健康経営エキスパートアドバイザーを持つスペシャリスト。社内の活動のほか、健康経営について企業・自治体・大学などに講義を行うなど普及にも力を入れている。オムライス検定2級の腕前で、オムライスづくりは家族に定評あり。

創業から実践し続けた「健康経営」
──そもそも、カゴメが健康経営に取り組むキッカケはなんだったんでしょうか?
湯地様:健康経営というのを推進しはじめたのは2015年のことでした。「カゴメはお客さまの健康の増進に貢献するサービスや商品を展開しているのだから、従業員一人ひとりが心身ともに健康であることが、事業内容に説得力を持たせ、ひいては会社自身のパフォーマンスアップにつながる」と取り組みが推進されました。カゴメという企業は約120年前の1899年に蟹江一太郎によって設立された会社で、創業当初から、自然の恵みである農産物の価値を活かすために、トマトを中心とした栽培から加工、販売までを一貫して行うビジネスモデルを採用してきています。
2016年には従業員の健康維持・増進に取り組むため、従業員の健康増進を進める組織ができ、今ではその組織が健康経営推進室になって、本社だけでなく、全国の各事業所、健康保険組合と連携しながら三位一体で推進しているというのが現在の体制になります。
──はじめから従業員の皆さんの理解度が高いというのは稀有なお話ですね。多くの場合、経営層や担当からの熱意が伝わらないということが多い気がします。
湯地様:2017年に「カゴメ健康経営宣言」と「カゴメ健康7ヶ条」を制定して、早くから従業員との共通意識を作り上げていたのも良かったのかもしれません。また、「従業員の健康=事業の説得力向上」という明確な目標があったこともあり、社内浸透が進んだ印象です。

─なるほどです。それでは健康経営は順調に広げられたという感じですか?
湯地様:健康無関心層にも意識・健康増進企画に参加してもらうために、日々工夫しながら進めています。各事業所がオリジナルの企画を実行していたりしており、楽しみながら実施しております。
─現場を見ている人間が行うからこそ、従業員の健康に対してまっすぐ取り組めそうですね。
湯地様:長年サービサーとして活動してきたからこそのノウハウがいきます。カゴメはお客さまに良さを伝える際に「『好き』で伝える」、つまりファンになってもらったり、幸福に感じてもらったりなどポジティブな感情になることを重視しています。
多くの健康経営を進める担当者さんは、施策を実行する場合、KPIを「参加率」や「利用率」のようなものに設定していると思います。ただ、これだと本当に参加したくて来ているのか、ムリヤリにやらされているだけなのかがわかりません。そこで、例えば健康経営施策実行の際のKPIを、他の人への推奨度にするのもいいと思います。受けた内容が「同僚に伝えたい内容だったか」「家族にも広めたい内容だったか」といった、本当に身になって健康に近づけているのか。
─それはユニークかつ素晴らしい評価方法ですね。
湯地様:カゴメ社内の例を挙げると、運動が好きな従業員自ら講師となりオンラインイベントを実施。楽しみたい、伝えたいという想いが伝播し、好評な企画となっている例もあります。
オンラインで、家族との料理イベントなどもいいかもしれません。
健康はあくまで手段であると考えております。健康であることで、従業員がポジティブになる。そこから新たなポジティブな目的・目標につながるようにしていくことが、ほんとうの意味での健康経営ではないかなと思います。
健康経営から新たなサービスへどう踏み出したのか
今回の記事では、健康経営の取り掛かりから、施策を進める中で見落としがちなエッセンスを教えていただきました。次回記事では、具体的な数値改善に向けた取り組みや、健康経営を生かした新たな価値創造としてのサービス提供について伺います。
千の提言シリーズ
取り組む企業が16,000社を超えた健康経営。 そのお手本とも言える「ホワイト500」「ブライト500」企業は どんな失敗をし、何に悩み、どう成功パターンを発見したのか。 各企業の担当者に秘伝とも言える話を伺います。








