実現には健康経営も重要!?女性活躍企業を目指すためのポイントとは

少子高齢化によって労働力人口が減少する一方、女性の社会進出が進み、女性の労働者は増加傾向にあります。現在、労働力人口に占める女性の割合は全体の44.4%にのぼり、職場の約半数が女性となっています。こうしたなか、企業が自社の女性従業員に活躍できる環境を提供することは企業の業績にもかかわる重要な課題です。今回は国内における女性活躍の現状や、女性が活躍できる企業の特徴について解説していきます。
企業で働く女性のリアルは……日本における「女性活躍」の現状

世界経済フォーラム(WEF)が発表した「ジェンダー・ギャップ指数2022」。これは各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数を「経済」「教育」「健康」「政治」の4つの分野のデータから作成し、0が完全不平等、1が完全平等を示すというものです。この中で日本は、総合スコアは0.650、順位が146か国中116位と、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中では韓国や中国、ASEAN諸国よりも低い結果となりました。女性の社会進出が進み、女性労働者が増える一方、男性同様に活躍できる労働環境が整っているとはまだまだ言えないというのが現実のようです。
これには、日本の社会や企業を取り巻く様々な課題が関係しています。たとえば、「出産・育児」の問題。厚生労働省の調査では「育児や介護、家事などに女性の方がより多くの時間を費やしていることが、職業生活における女性の活躍が進まない要因の一つだ」という意見について、38.0%が「そう思う」、46.0%が「どちらかといえばそう思う」と回答。家庭における仕事量が男性よりも多く、仕事と出産や育児の両立が難しいことや、またそうした課題を解決するための制度が企業側で整っていないといった現実が挙げられるでしょう。
さらに、そうした状況もあり職場内で活躍する女性が登場しにくいことから、理想的なキャリアの女性ロールモデルが少なく、女性従業員のモチベーションが生まれないという負の連鎖にもつながっていることが考えられるのです。
女性活躍に向けた課題と推進のためのポイント
では、女性がもっと活躍できる環境を整備するために、企業はどんな取り組みを進めていくべきなのでしょうか。
まず考えられるのは先述したとおり、仕事と育児や家事の両立が難しい女性従業員向けに、労働時間や働き方を柔軟に選択・調整できる制度を整備することでしょう。これには、女性の家庭環境に合わせ、時短勤務やテレワーク、フレックスタイム制など、さまざまな制度の導入検討が考えられます。
次に挙げられるのが、女性ロールモデルの育成です。キャリアと家庭をうまく両立している女性管理職を増やすことで女性従業員のモチベーションが上がり、活力ある女性の多い理想的な職場が実現するはずです。
他にも、男性の育児休暇を推進する認可外保育園の援助や託児所の設置など、女性が育児と仕事を両立しやすくするために検討できる制度はさまざまです。
女性従業員が活躍するためには、企業の健康ケアも重要
また、健康課題への対応も女性活躍企業を目指すには重要です。女性は、女性特有の健康課題を抱えています。それらを正しく理解して適切なサポートをすることにより、体調に合わせた柔軟な働き方が可能になれば、仕事に対する自信やモチベーションを保ちながら働き続けることができ、離職者を減らすことにもつながります。女性従業員の定着が実現すれば、企業は女性人材のキャリアアップや管理職登用もしやすくなるはずです。具体的な健康課題には、以下のようなものが考えられます。
月経に関する不調
PMSや月経に伴う具体的な症状は個人の体質によって異なるものの、なかには仕事を休まざるを得ないほどの強い腹痛や頭痛を伴うという人も少なくありません。たとえ出勤した場合でも、業務効率が大幅に下がるケースも考えられます。生理休暇や、不調時の作業フォローなど、月経不調にともなう支援制度を整えるとともに、実際に取得しやすい職場環境づくりが重要です。
婦人科系のがん
婦人科系のがんとして最も代表的なものが乳がん。生涯で9人に1人は罹患するともいわれています。その他にも、子宮がんや卵巣がんなど、女性特有のがんは少なくありません。企業にはがん検診の費用補助を導入し、早期発見・治療をサポートしたり、がんと診断された女性のための相談窓口設置したり、さらには、時短・在宅勤務といった柔軟な働き方に対応することなどの検討が求められます。
妊娠・不妊
妊娠期には、つわりや貧血、食欲不振などの体調不良があらわれがちです。企業は、妊娠によって体調不良が起こること、それによって以前同様のパフォーマンスが発揮できない女性従業員の存在について、他の従業員や上司に対して理解を求めていくことが大切です。また一方で、不妊治療を行う従業員は高頻度の通院や多額な費用、それに伴う精神負荷などの課題があります。従業員が仕事と不妊治療を両立できるよう、企業は通院時に活用できる年次有給休暇の時間単位取得制度やフレックスタイム制度の導入検討が必要でしょう。
更年期障害
更年期とは、閉経前後の5年ずつの10年間を指し、この時期には女性ホルモンが減少することで頭痛やめまい、うつ、動悸や息切れ、吐き気などさまざまな不調を引き起こされます。症状には個人差があるため、まずは女性従業員や管理職等に、更年期障害への知見をもってもらう施策が有効です。合わせて、通院に合わせて活用できる年次有給休暇の時間単位取得制度やフレックスタイム制度の導入、相談窓口の設置なども検討するといいでしょう。
女性活躍に向けた取り組みも、女性特有の不調に対応した健康経営の推進も、まずは女性が置かれている環境に対して社内での理解を促進することが重要です。男性も含む従業員全体でのリテラシーを向上させながら、さまざまな施策に反映させていきましょう。
<参考URL>
- 世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2022」を公表|内閣府男女共同参画府
https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2022/202208/202208_07.html
- 男女共同参画社会に関する世論調査
https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-danjo/2.html
- 働く女性の健康推進に関する実態調査|経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/H29kenkoujumyou-report-houkokusho-josei.pdf
- 働く女性の健康増進調査 2018|日本医療政策機構
https://hgpi.org/wp-content/uploads/1b0a5e05061baa3441756a25b2a4786c.pdf
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