健康経営/産業保健コラム健康経営実行支援コンサルティング

社内コミュニケーションを活性化させるためには? 取り組みや事例を解説

2025.9.10
社内コミュニケーションの活性化

「社内コミュニケーション活性化の取り組みには何がある?」
「社内コミュニケーション活性化の施策を実施するうえで意識したいポイントは?」

社内コミュニケーション活性化の取り組みを行ううえで、上記のようにお悩みではありませんか。

社内コミュニケーションの活性化は、従業員のメンタルヘルスの安定やワークエンゲージメント向上に不可欠な要素です。そのため、健康経営においても重要視されています。

本記事では、社内コミュニケーションの取り組みや事例を解説します。

社内コミュニケーションの活性化に効果的な取り組み例【従業員参加型】

社内コミュニケーションの活性化には、以下のような従業員参加型の取り組みが効果的です。

  • 運動会などの社内イベントの実施
  • 部活動・サークル活動の設立
  • 地域活動やボランティア活動への参加

上記は、2025年度健康経営度調査票(※)の選択項目にもなっており、健康経営優良法人として認定されるためには、いずれかの取り組みを行う必要があります。例年大きな変更はないものの、年度によっては項目や認定要件が更新される場合があるため注意しましょう。

(※)「令和6年度健康経営度調査票」(経済産業省)

運動会などの社内イベントの実施

運動会や社員旅行など、業務外で従業員同士が親睦を深められる社内イベントは、社内コミュニケーションの活性化に有効です。

部署の垣根を超えて交流できる社内イベントを実施すれば、普段関わりの少ない従業員と話したり、業務では見られない相手の意外な一面を知ったりできます。相互理解が深まることで、業務中のコミュニケーションや人間関係の質も向上するでしょう。

とくに運動会のような運動を伴う取り組みは、自然に交流が深まりやすいうえに、従業員の身体の健康増進にも効果的です。

社内イベントを開催する場合は、従業員が気軽に参加できるようなカジュアルな交流の場にすることがポイントです。運動会以外にも、以下のような社内イベントが挙げられます。

  • 花見会
  • ボウリング大会
  • 社員旅行
  • 親睦会
  • シャッフルランチ

社内イベントとしてできるコミュニケーション活性化の取り組みはさまざまあるため、自社のニーズに応じた形式で企画するとよいでしょう。

部活動・サークル活動の設立

部活動やサークルを設立することでも、社内コミュニケーションの活発化が期待できます。

部活動やサークル活動は、共通の趣味をもつ従業員が集まるため、コミュニケーションのハードルが低く、会話が弾みやすいのが特徴です。なかでもスポーツやアウトドアなど、協力して行う活動は一体感が生まれやすく、互いに助け合い、励まし合う関係を醸成しやすい傾向にあります。

社内コミュニケーションの活性化につなげるためには、従業員の年齢層やニーズに合った活動団体を設立することがポイントです。あわせて保険加入の有無や活動費の支給についても検討しましょう。

地域活動やボランティア活動への参加

社内コミュニケーションの活性化に有効な従業員参加型の取り組みとして、地域活動やボランティア活動への参加も挙げられます。

地域活動やボランティア活動は、業務外で従業員と交流するよい機会です。社会貢献を通して、思いやりの心や利他的な精神が醸成されることで、業務でも他者を尊重し、協力しようとする意識が高まるでしょう。

また、社会の一員として貢献していることを実感できることで、従業員の自己肯定感が高まり、メンタルヘルスへのよい影響も期待できます。

従業員が地域活動やボランティア活動に参加しやすいよう、勤務時間の調整や活動費の補助などの支援体制を整えることがポイントです。

社内コミュニケーションの活性化に効果的な取り組み例【環境整備型】

社内コミュニケーション活性化の取り組みとして、以下のような環境整備を行うことも有効です。

  • フリーアドレスの導入
  • 社内SNSやチャットツールの活用
  • 従業員同士が互い評価・賞賛しあう制度の導入
  • 1on1ミーティングの実施

上記のうち、フリーアドレスの導入、社内SNSやチャットツールの活用、従業員同士が互い評価・賞賛しあう制度の導入は、2025年度健康経営度調査票の選択項目です。

それぞれの取り組みの内容を詳しく解説します。

フリーアドレスの導入

フリーアドレスを導入すれば、コミュニケーションが生まれやすい職場環境を構築できます。フリーアドレスとは、従業員の固定席を設けないオフィス運用スタイルのことです。

従業員が毎日自由に席を選べるため、さまざまな人と顔を合わせてコミュニケーションがとれるようになります。強制感がなく、自然な社内コミュニケーションを促進できるのがポイントです。

フリーアドレスには、部署に関係なくオフィスを開放する完全フリーアドレスと、部署やチームごとに開放するグループアドレスがあります。自社の従業員規模や業務内容に応じて選ぶとよいでしょう。

社内SNSやチャットツールの活用

社内コミュニケーションを活性化させるには、社内SNSやチャットツールを活用するのも方法の一つです。

社内SNS・チャットツールには、非対面での交流を可能にし、コミュニケーションのハードルを下げる効果があります。悩みや困りごとを質問・相談したり、複数人に同時に呼びかけたりと、気軽にコミュニケーションがとれるようになるでしょう。

また、テレワークの従業員ともリアルタイムでコミュニケーションがとれる点もメリットです。

グループウェアと呼ばれる、スケジュール管理・ファイル共有などの機能が一体となったツールを使えば、業務連絡や情報共有の効率化も期待できます。

従業員同士が評価・賞賛しあう制度の導入

従業員同士が互いに評価・賞賛しあう制度を導入すれば、相互理解が深まり、良好な人間関係を築きやすくなります。また、従業員一人ひとりが組織の一員として認められることで、安心して発言や行動ができるようになり、ポジティブなコミュニケーションが生まれることも期待できます。

たとえば、以下のような制度を導入するとよいでしょう。

サンクスカード職場の上司や同僚、部下に対し、感謝の気持ちをカードに書いて伝えあう制度
ピアボーナス制度自分以外の従業員の努力や成果をポイントに換算して送りあう制度

獲得したカードやポイントをボーナス査定に反映したり、景品と交換できるようにしたりすると、制度が浸透しやすくなります

1on1ミーティングの実施

上司と部下のコミュニケーション活性化には、1on1ミーティングが有効です。

1on1ミーティングとは、上司と部下の1対1で行われる面談を指します。本来は部下のマネジメントや成長促進を目的とした取り組みですが、部下が上司に相談しやすくなったり、上司・部下間の信頼関係を良好にしたりするなどの効果も期待できます

1on1ミーティングは、週に1回、月に1回など定期的に行うことが基本です。定期的に実施することで、上司と部下のコミュニケーションの時間を確保でき、人間関係を良好に維持しやすくなるでしょう。

社内コミュニケーションの活性化が企業にもたらすメリット

社内コミュニケーションの活性化は、企業に以下のようなメリットをもたらします。

  • 従業員のメンタルヘルスを良好に保ちやすくなる
  • ワーク・エンゲージメントの向上につながる
  • 業務パフォーマンスの向上が期待できる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

従業員のメンタルヘルスを良好に保ちやすくなる

社内コミュニケーションを活性化すれば、従業員のメンタルヘルスを良好に保ちやすくなります。従業員同士の相互理解が深まることで、心理的な距離が縮まり、悩みや困りごとを相談しやすくなるためです。

また、普段から声かけや話し合いが活発に行われることで、些細な変化や不調に気づきやすくなり、メンタルヘルス不調の予防や早期対処にもつながります

ワーク・エンゲージメントの向上につながる

社内コミュニケーションを活性化させることは、ワーク・エンゲージメントの向上にもつながります。

ワーク・エンゲージメントとは、従業員が仕事に対して活力や熱意を抱き、没頭する心理状態を指します。ワーク・エンゲージメントを向上させるには、従業員の心理的安全性が高く、悩みや困りごとを気軽に相談できる職場環境の整備が不可欠です。

風通しのよいオープンなコミュニケーションは、従業員同士の信頼関係を深め、悩みや困りごとを相談しやすい雰囲気を醸成します。結果、ワーク・エンゲージメントが向上し、従業員が仕事に対して生き生きと取り組むようになることが期待できます。

さらには、離職率の低下や定着率の向上も見込めるでしょう。

業務パフォーマンスの向上が期待できる

社内コミュニケーションを活性化すれば、業務パフォーマンスの向上が期待できます。

社内コミュニケーションが活性化すると、情報共有が迅速かつ正確に行われるようになり、業務のムダや重複の減少につながります。また、部署間の連携がスムーズになることで、新しい提案やアイデアが創出されやすくなるでしょう。

さらにナレッジ共有が活発になり、組織やチーム内で得た知識や情報が他のメンバーとも共有されることで、組織全体の生産性向上が見込めます

社内コミュニケーション活性化の取り組みを行う際のポイント

社内コミュニケーション活性化の取り組みを行う際は、以下のポイントに留意しましょう。

  • 「縦」と「横」両方のコミュニケーションを意識する
  • テレワークの従業員にも配慮する
  • 自社の課題や風土に合った施策を選ぶ

それぞれの内容を詳しく解説します。

「縦」と「横」両方のコミュニケーションを意識する

社内コミュニケーションを活性化させる際は、「縦」と「横」両方のコミュニケーションを意識することが大切です。

社内コミュニケーションの活性化により、上司と部下の縦の人間関係を良好に構築できれば、部下が上司に悩みを相談しやすくなり、メンタルヘルス不調の予防・早期対処が可能になります。具体的な取り組みとしては、たとえば1on1ミーティングや、先輩従業員が若手従業員の職場への定着を支援するメンター制度などが挙げられるでしょう。

同僚や部署間の横のコミュニケーションを活性化させることは、メンタルヘルスの安定につながります。横のつながりが強いと、従業員は「困ったときは気軽に相談できる」「自分の意見を聞いてくれる」という安心感を抱きやすくなるためです。

また、従業員の組織に対する帰属意識が高まることで、ワーク・エンゲイジメントの向上も期待できます。

部署間での業務理解も深まり、組織全体の生産性向上も見込めるでしょう。

テレワークの従業員にも配慮する

社内コミュニケーション活性化の取り組みを行う際は、テレワークの従業員にも配慮しましょう。

テレワークの普及により、近年は社外で仕事をする機会が増え、企業によっては社内コミュニケーションが希薄になっています。テレワークでは基本的に単独で業務を行うため、人によっては孤独感や疎外感を覚えることもあるでしょう。孤独感や疎外感は、メンタルヘルス不調の原因となる可能性があります。

対策として、ビデオ通話可能なWeb会議ツールなどを導入し、顔出しでコミュニケーションできる体制を整えれば、テレワークの従業員とも気軽に交流できます。結果、チームとしての一体感が高まり、該当従業員の帰属意識が向上することで、メンタルヘルスを良好に保てるようになるでしょう。

自社の課題や風土に合った施策を選ぶ

取り組みの実効性を高めるためにも、社内コミュニケーション活性化の施策は自社の課題や風土に合ったものを選びましょう。

自社の課題や風土に合っていない施策を導入した場合、強制感が出てしまい思うような効果が得られません。従業員全員が納得して取り組める施策を導入することで、参加率が高まり、社内コミュニケションの活性化につながります

たとえば、デスクワークが多く部署間のコミュニケーションの機会が少ないのであれば、「完全フリーアドレス」のような施策がよいでしょう。どのような施策を導入すればよいかわからない場合は、社内アンケートを実施すると、自社の課題や従業員のニーズを把握しやすくなります

自社の実態を把握して、課題を見極めたうえで施策を選びましょう。

社内コミュニケーション活性化の成功事例

社内コミュニケーション活性化の取り組みを検討する際の参考として、以下2社の成功事例を紹介します。

若手従業員が役職者のメンターになる「リバースメンター制度」で縦のコミュニケーションを活性化|株式会社資生堂

大手化粧品メーカーの株式会社資生堂では、若手従業員が管理職のメンターとなる「リバースメンター制度」を導入しています。導入当初は、少数の管理職が若手従業員にIT活用の指南を受けるための制度でしたが、現在は部長以上の役職者に対し、受講が義務づけられるプログラムとなっています。

同制度では、部門長以上の役職者の推薦により、複数の部署からメンターになる従業員が選ばれ、1年間で3~6回のミーティングが行われています。結果、IT活用にとどまらず、プロジェクトやSNSなど、さまざまな場面で若手従業員と役職者の接点が生まれているとのことです。

「みんなのおごり自販機」導入で従業員同士が気軽にコミュニケーションをとれる環境を整備|株式会社バンダイナムコホールディングス

アミューズメント施設や、エンターテイメント分野の事業を手がける株式会社バンダイナムコホールディングスでは、「みんなのおごり自販機」と呼ばれる自動販売機を設置しています。従業員のエンゲージメント向上を目的に、社内コミュニケーションの活性化を目指して導入されました。

みんなのおごり自販機は、2人の従業員の専用カードを同時に自販機にタッチすることで、無料で飲みものが購入できる仕組みです。同社によると、自販機の導入により、業務の合間など短い時間でも従業員同士が気軽にコミュニケーションをとれるようになったといいます。

他にも、「つながロビー」と呼ばれる、従業員が交流できるコミュニケーションイベントを定期開催するなど、さまざまな施策により従業員同士のコミュニケーションを促進しています。

参考:「サステナビリティ」(バンダイナムコエンターテインメント)

社内コミュニケーション活性化の取り組みを行って従業員の心の健康を守ろう

社内コミュニケーションを活性化させれば、従業員のメンタルヘルスの安定化やワークエンゲージメントの向上が図れます。さらには、業務上の情報共有がスムーズに行われるようになることで、業務パフォーマンスの向上も見込めるでしょう。

社内コミュニケーション活性化の取り組みには、運動会などの社内イベントやフリーアドレスなどさまざまな施策があります。自社にあった取り組みを選択して、社内コミュニケーションの活性化を図りましょう。

社内コミュニケーションの活性化を通じてワークエンゲージメントの向上を図る場合は、ワークエンゲージメントについて網羅的にまとめた以下の資料もご活用ください。

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