中小企業こそ健康経営への参加を!経営者による健康宣言の方法とは

従業員等の健康管理を経営的な視点で考えて戦略的に実践する健康経営においては、先進的に施策を進める大企業がある一方で、まだ取り組みに着手できていないという中小企業も少なくありません。しかし、従業員数が限られた中小企業においては、個人のパフォーマンス低下が企業全体に与えるダメージはより大きくなる可能性もあり、そうした意味では、中小企業において健康経営はより重要な意味を持つといえるかもしれません。今回は、中小企業が取り組むべき健康経営について、そのメリットや課題、推進に向けてのポイントとなる健康宣言のやり方について紹介します。
経営者なら真剣に考えておきたい…中小企業に健康経営が求められる理由とは?

健康経営の存在を知っている中小企業の経営者であっても、「企業規模が小さいと投資に対するメリットも小さくなってしまうのでは?」と考え、なかなか手をつけられないという方も少なくないかもしれません。では、中小企業にとって健康経営が求められる理由にはどのような点が挙げられるのでしょうか。
従業員の離職・休職によるダメージ軽減のため
元々従業員数の少ない中小企業では、一人が担う業務や役割の範囲が広くなりがちです。そのため、従業員一人のパフォーマンスによってもたらされる企業活動への影響が大きく、健康被害により従業員が離職・休職すれば、そのダメージは甚大なものになります。従業員の健康を促進し離職や休職を減らすための取り組みは、事業を継続するために必須だといえます。
労働人口減少のなかでの採用課題解決のため
労働人口の減少による人材不足も中小企業にとっては大きな課題です。市場の人手不足が解消されない以上、まずは在籍している従業員に健康で長く働いてもらうための健康経営が重要になります。さらに、健康経営に取り組みPRすることで、新たな人材の獲得にもつながります。たとえば、健康経営を推進し「健康経営優良法人」の認定を受ければ、「従業員の健康管理に積極的な法人」として社会的な評価や信頼度が高まり、採用においても有利に働くはずです。
医療費の削減につながる
従業員の健康課題が解消されないと、通院する人が増え医療費の負担増に悩まされることにもなりかねません。健康経営によって自社の健康課題を解決すれば、医療費削減や、傷病による休職・離職の軽減にもつながります。
中小企業が健康経営を推進するための課題とポイント
中小企業にとって重要な経営課題であるはずの健康経営ですが、まだ取り組みをスタートしていないという企業には、どんな障壁があるのでしょうか。健康経営の推進に対して見受けられがちな課題を確認していきましょう。
経営者に経営課題としての認識がない
健康経営は、その重要性を経営者が中長期的な視野でしっかりと認識して主導していくことで、従業員の健康増進への意欲を高め、従業員の自主的な行動変容を促すことができます。しかし、経営者が短期的な経営戦略にのみ注目してしまい、従業員の健康課題が後回しになってしまうというケースも少なくありません。
健康経営に関するノウハウがない
健康経営に取り組みたい意志があっても、推進のためのノウハウが社内になく、何から始めていいのかがわからない中小企業も少なくありません。専門部署を設置する人的リソースがないというケースもあるでしょう。まずは健康経営優良法人の中小企業の事例などを参考にしながら、外部サービスの活用も検討する必要があります。
健康経営に対する予算が割けない
東京商工会議所による従業員300名以下の企業に対する調査では、健康経営を実施するにあたっての課題に「予算がない」と答えた企業は22.6%となっています。健康経営施策として実施する設備投資や福利厚生制度の導入などには費用が発生しますが、結果はすぐに得られるものではないため、費用面での負担が大きいと考えてしまいがちです。中長期的な視点でコストパフォーマンスを考える経営者の意識改革が必要です。
まずは健康宣言から。健康経営優良法人認定制度・中小規模法人部門の認定フロー

中小企業が健康経営を始めるにあたっては、「健康経営優良法人」の認定を目標にしてみるのがよいでしょう。これは、健康課題に即した取り組みや健康増進の取り組みを実施している優良な企業を顕彰する制度です。認定を受けることで、健康経営に積極的に取り組んでいる企業として社会全体やステークホルダーからの評価が高まるほか、健康経営に対する自社の機運をさらに高めることもできます。ここでは、中小規模法人部門における認定フローについて説明します。
健康宣言に参加
まずは企業が加入している保険者(全国健康保険協会、健康保険組合連合会、国民健康保険組合など)、もしくは各自治体が実施する健康宣言事業に参加します。自社の健康問題に合わせ、具体的な数字などで定量的に判断できる目標を設定し、宣言を行います。
書類の記入/申請
自社の健康課題への取り組み状況を確認したうえで、認定要件に該当する自社の取り組みを申請書に記載し、取り組みの実施健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」から、日本健康会議認定事務局に申請します。例年では概ね10月頃に提出期限があります。
審査/認定
認定審査を経て、日本健康会議において認定されます。
中小企業の健康経営は従業員のモチベーションを高めて生産性を向上させるだけでなく、疾病者や休職者、離職者の減少、さらには求職者へのアピールとしても有効で、中小企業の課題となりがちな人材課題の解決に大きく寄与します。自社にとっての必要な投資だということをしっかりと認識し、積極的に取り組んでいきましょう。
<参考URL>
- 健康経営に関する実態調査 調査結果|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1013694
健康経営/産業保健コラムシリーズ
企業に義務付けられている産業保健体制の構築から 健康経営の考え方・推進法まで幅広い話題をご提供。 これを読むだけで今求められている施策・対応への理解が進みます。








