健康管理システムの導入事例を紹介|紙管理からの脱却と健康経営の実現へ

企業にとって従業員の健康管理は、リスク管理だけでなく「健康経営」や「人的資本経営」の観点から生産性向上の要となっています。しかし、紙ベースやExcelでのバラバラなデータ管理では、業務効率が悪く、十分な分析ができないという課題を抱える企業も少なくありません。
本記事では、健康管理システムを導入して課題を解決した食品メーカーや製造業の成功事例をご紹介します。さらに、システム導入のメリット、2025年公布の法改正に対応した選び方、運用方法までを網羅的に解説します。
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健康管理システム「ハピネスパートナーズ」
健康管理システムの導入事例一覧
人健康管理システムを導入することで、具体的にどのような課題が解決され、どのような成果が得られるのでしょうか。ここでは、実際にシステム(健康管理システム『ハピネスパートナーズ』)を活用して成果を上げた5社の事例をご紹介します。
成功事例1:システム刷新で全国拠点の産業医連携を強化
~株式会社ニチレイの事例~
【導入前の課題】 全国に拠点を持つ同社では、以前から他社のシステムを利用していましたが、運用に大きな課題がありました。特に産業医が選任されている事業場において、システム上での健診結果・判定入力が容易でないため、一度紙面で判定をもらい、それを担当者が手入力するという「二度手間」が発生していました。
【導入の決め手】 システム切り替えにあたり重視したのは、「使いやすさ」と「必要な機能の網羅性」です。特に産業医から要望のあった「独自の基準で健診結果を判定できる機能」が必須条件でした。また、単なる業務効率化(工数削減)だけでなく、「従業員の健康状態を正しく可視化できるか」という本質的な価値を重視して選定を行いました。
【導入後の成果】 健康管理システム「ハピネスパートナーズ」への切り替えにより、データの二度手間などの課題解決が進められています。また、経営層に対して健康経営の施策を説明する際にも、システムに蓄積された客観的なデータを活用できるようになり、従業員の健康保持・増進に向けた取り組みが加速しています。担当者はベンダーの真摯なサポート体制にも満足しており、パートナーとして共に課題解決に取り組んでいます。
出典元リンク https://m3hd.co.jp/case/nichirei
成功事例2:特殊健診を含む複雑な業務歴を一元管理し、健康課題を可視化
~株式会社メニコンの事例~
【導入前の課題】 コンタクトレンズ製造を行う同社では、従業員と家族の健康維持が企業の成長に不可欠と考えていました。しかし、健診結果を紙で管理していたため、集計や有所見者の抽出に時間がかかり、健康状態の「可視化」ができていませんでした。また、生産拠点で化学物質を扱うため、一般的な健診データに加え「特殊業務歴」の管理も必須課題でした。
【導入の決め手】 選定の最大の決め手となったのは、「特殊業務歴」を通常の健康診断内容と合わせて一括管理できる点でした。従業員ごとに取り扱う化学物質や従事期間などの項目を、システムで一元的に把握できる機能が導入の大きな動機となりました。
【導入後の成果】 導入後は、見たいデータを画面上ですぐに可視化できるようになりました。例えば、年齢や健診項目を掛け合わせて分析することで、喫煙者の内訳などの健康課題が浮き彫りになりました。実際にデータを分析したところ、社内アンケートよりも健診問診データの方が「喫煙する」と回答している人数が多いことが判明しました。より信頼性の高いデータに基づき、禁煙運動などの対策を実状に合わせて立案・実行できるようになっています。
出典元リンク https://m3hd.co.jp/case/menicon
成功事例3:特殊健診の複雑な管理と健診希望調査をシステム化
~株式会社GSユアサの事例~
【導入前の課題】 以前から健康管理システムを利用していましたが、受診する健診機関が多様であることや、取り扱う化学物質が多く特殊健診の情報が複雑であることから、健診結果を完全にデータ管理できずにいました。旧システムのサービス終了を機に、複雑な健診データを容易に投入でき、看護職が面談記録などを管理しやすい新システムへの切り替えが急務となっていました。
【導入の決め手】 「特殊健診の管理」や「健診の希望調査」など、同社が新たにシステム化したいと考えていたタスクを十分に実現できる機能性が最大の決め手となりました。また、旧システムと比較してインターフェースが視覚的に分かりやすく、直感的に操作できる点も高く評価されました。
【導入後の成果】 導入により、これまでシステム化が困難だった特殊健診のデータ管理や、従業員の健診希望調査などの業務がシステム上で完結できるようになりました。担当者はベンダーとの定例ミーティングを通じて、業務に合わせた細かなカスタマイズを行いながら、理想的な運用体制を構築しています。
出典元リンク https://m3hd.co.jp/case/gs-yuasa
成功事例4:100店舗以上の健診予約・結果管理を効率化、人事の負担を大幅減
~株式会社千葉薬品の事例~
【導入前の課題】 千葉・茨城で100店舗以上を展開する同社では、健診結果を紙で管理しており業務が煩雑化していました。また、健診の予約や日程変更、キャンセルに関する連絡が全て人事に集中しており、問い合わせ対応の負担が非常に大きいという課題を抱えていました。
【導入の決め手】 他社システムと比較検討した結果、「従業員自身がシステム上で健診の予約・変更・キャンセルを行える機能」を持っていたことが最大の決め手でした。また、導入時の従業員データ登録作業をベンダー側が代行してくれる点も、事務作業の手間を懸念していた同社にとって大きな魅力となりました。
【導入後の成果】 従業員が自分で予約管理を行えるようになったことで、人事への問い合わせが減少し、業務負担が大幅に軽減されました。また、健診結果がデータ化されたことで、有所見者に対してピンポイントでアプローチが可能となり、「会社が自分の健康を気にかけてくれている」という従業員の満足度向上にもつながっています。
出典元リンク https://m3hd.co.jp/case/yacs
成功事例5:リモートワーク下の健康管理をセキュリティ万全なクラウドで実現
~株式会社LIXILトーヨーサッシ商事の事例~
【導入前の課題】 リモートワークの普及に伴い、紙ベースでの健康診断結果や健康状態の管理に限界を感じていました。紙での管理は情報の共有が遅れるだけでなく、紛失や情報漏洩のリスクも高く、迅速かつ安全なフォローアップ体制の構築が課題となっていました。
【導入の決め手】 選定において最も重視されたのは「セキュリティ」です。同社の厳格なクラウドセキュリティガイドラインをクリアする高度なセキュリティ対策がなされている点が決め手となりました。また、スムーズに導入でき、既存の業務プロセスへの影響を最小限に抑えられる点も評価されました。
【導入後の成果】 セキュアな環境で従業員の健康データを一元管理できる体制が整いました。使いやすいインターフェースとレポート機能を活用し、社員一人ひとりの健康状態を迅速に把握することで、健康リスクの早期発見と予防に向けた具体的な施策に取り組めるようになっています。
出典元リンク https://m3hd.co.jp/case/toyosashkenzai
出典:エムスリーヘルスデザイン「ハピネスパートナーズ導入事例集」
健康管理システム導入のメリット
システムを導入することは、担当者の負担を減らすだけでなく、企業全体のパフォーマンス向上に寄与します。
業務効率化とコスト削減
健康管理システム導入の大きなメリットの一つが、業務効率化による大幅な工数削減です。
- データ管理の自動化: 紙の診断書を手入力する作業や、Excelでの複雑な集計業務から解放されます。データがデジタル化され集約されることで、入力ミスなどのヒューマンエラーも軽減しやすくなります。
- リアルタイムでの情報共有: データがクラウド上で一元管理されるため、人事担当者、産業医、保健師間での情報共有がスムーズになります。構築されたデータベースにアクセスすれば、いつでも最新の状況を確認でき、効果的な連携が可能になります。
- 業務プロセスの見直し: システムの導入は、既存の業務フローを見直すきっかけになるでしょう。無駄な手続きを削減し、より効率的なプロセスへと効率化することで、本来注力すべき健康増進策の立案などに時間を割けるようになり、結果としてコスト削減につながります。
従業員の健康意識向上
システムは管理者だけでなく、従業員一人ひとりにとってもメリットがあります。
- 健康データの可視化と未来予測: 従業員が自身のスマートフォンやPCから健診結果を確認できる環境を整えることで、自分の健康状態への関心が高まります。 さらに、AIが解析を行って余命予測や健康スコアを算出する機能(例:『ハピネスパートナーズ』のEBHS Lifeなど)を活用すれば、「なんとなく不調」な状態を数値で客観視できるようになり、従業員の行動変容を強力に促すことができます。
- 健康教育プログラムの導入: システムを通じて、対象者に合わせた研修動画や健康情報の配信が行えます。保健指導が必要な従業員への勧奨もシステムからスムーズに実施できるため、教育の機会を逃しません。
- コミュニケーションの促進: 人事や保健師と従業員がシステム上でやり取りできる機能があれば、健康相談のハードルが下がります。こうしたつながりが、業種を問わず働きやすい環境を作り、組織全体の健康意識を底上げします。
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導入時に考慮すべきポイント
失敗しないシステム導入のためには、機能面、コスト面、そして施行が迫る法改正への対応を検討する必要があります。
システムの機能と使いやすさ
多くのシステムが販売されていますが、自社に合ったものを選ぶには以下の視点が重要です。
- 機能の多様性を確認する: 健康診断管理だけでなく、ストレスチェック、過重労働管理、面談記録など、必要な機能が網羅されているか一覧で確認しましょう。他システムとの連携が可能かどうかも重要です。
- ユーザーインターフェースの直感性を重視する: 毎日使う画面だからこそ、直感的に操作できるかがカギです。マニュアルを読み込まなくてもスムーズに操作できる仕組みであれば、現場への浸透も早くなるでしょう。
- 実際の利用シーンを想定して評価する: 「産業医が判定しやすいか」「従業員がスマートフォンで閲覧しやすいか」など、具体的な利用シーンを想定してデモを触ってみましょう。クラウド型であれば場所を選ばず活用できる体制が作れます。
導入コストと法改正への対応
予算内で最大の効果を得るために、コスト構造と将来的な対応力を理解しましょう。
- 費用対効果(コストパフォーマンス)を考慮する: 導入によって削減できる時間や手間を金額換算し、投資に見合う費用対効果があるかを判断します。電話サポートの有無や、オプションでコストが増えないかなど、見積もりの内容を精査します。
- 法改正への対応(ストレスチェック義務化など): 2025年5月に公布された労働安全衛生法改正により、「従業員50人未満の事業場でもストレスチェックが義務化」されることが決定しています(公布から3年以内に施行)。現在は施行に向けた準備期間にあたります。長期的な運用を見据え、こうした法改正にも追加負担なく、迅速に対応できるシステムを選ぶことが非常に重要です。
健康管理システムの選び方
市場には多数の製品が存在します。自社に最適なシステムを選ぶためのステップを解説します。
自社のニーズを明確にする
システム選びで最も重要なのは、「何のために導入するか」という目的の明確化です。
- 具体的な目標を設定する: 「健診受診率100%を目指す」「ハイリスク者への対応を強化する」など、企業としての方針を固めます。
- 対象となるユーザーを特定する: 組織全体で使うのか、一部の部署から始めるのか。また、個人ごとの権限設定が必要かなど、要件を整理します。
- 必要な機能をリストアップする: 請求管理まで必要なのか、社内の別システムとの連携が必須なのか。個別の事情や異なる拠点ごとのニーズを把握し、優先順位をつけて展開を検討しましょう。
市場での評判と実績を確認
カタログスペックだけでなく、第三者の評価も参考にします。
- 導入事例とユーザーレビュー: 同業他社の導入事例や、ユーザーからの評価を確認します。実際に現場で使っている人の「リアルな声」は、カタログにはない視点を提供してくれます。
- サポート体制の確認: オンラインでのデモや相談会に参加し、担当者の対応を見極めます。面談管理や予約機能など、専門的な関連業務についても詳しく紹介してくれるベンダーは信頼できるでしょう。
- 実績に基づく信頼性: 高いシェアを持つシステムや、医療・ヘルスケア分野で長年の実績がある企業(エムスリーグループなど)のシステムは、セキュリティや法対応の面でも安心感があります。
健康管理システム導入後の運用方法
システムは導入して終わりではなく、運用して初めて価値が生まれます。
定期的なデータ分析と改善
蓄積されたデータを活用し、PDCAサイクルを回します。
- データ収集と分析の習慣化: 毎年の健診データやストレスチェックの結果を自動で集計し、経年比較を行います。記事作成時点よりも状況が悪化している部署がないかなど、定期的に分析します。
- チームでの情報共有: 分析結果を衛生委員会などで共有し、課題を明確にします。資料作成の手間もシステムで削減できるため、議論の質を高めることに時間を使えます。
- 改善策の実施: 有所見者の増加が見られる場合などは、具体的な改善策(セミナー開催や環境調整)を実施します。システムが期待通りの効果を発揮しているかを確認し、維持・向上を目指します。
従業員へのフィードバックとサポート
データに基づいた個別のサポートが、従業員の信頼を生みます。
- フィードバックのタイミング: 健診結果が出た直後など、関心が高いタイミングで情報を提供します。システムから自動で案内を送ることで、担当者の負担なく適切なフォローが可能になります。
- 個別の健康状態に応じたサポート: ハイリスク者への受診勧奨や、特定の健康課題を持つ社員への支援を行います。個人情報の取り扱いに十分配慮しつつ、職場全体で従業員の健康をサポートする体制を作ります。
まとめ:健康管理システム導入の重要性
健康管理システムの導入は、単なる事務作業の効率化にとどまらず、企業の持続的な成長を支える基盤となります。
健康経営の推進と企業の成長
健康経営は今や企業のブランド価値を左右する重要な経営課題です。 従業員の健康データに基づいた的確な施策を行うことは、生産性の向上だけでなく、離職率の低下や採用力の強化にもつながります。「健康経営優良法人」の認定取得を目指す上でも、システムによる正確なデータ管理は大きな武器となるでしょう。医療費の適正化や、事業リスクの低減といった観点からも、法人としての対策を強化し、企業の成長につなげていくことが重要です。
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今回紹介した導入事例からも分かる通り、成功の秘訣は「自社の課題に合った機能を選定すること」と「データを活用して次のアクションにつなげること」にあります。 検討段階から現場の声を聴き、拠点ごとの特性や抽出したいデータを明確にしておくことが重要です。また、失敗事例としてよくある「多機能すぎて使いこなせない」事態を避けるためにも、使いやすさに定評のあるシステムを選び、ベンダーからの提案・セミナーを積極的に活用するアプローチが有効です。 まずは自社の課題を整理し、実績あるシステムの概要を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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