有効な施策を立案するために…健康診断結果の効率的な分析方法とは?

健康経営を推進するためには、自社の課題を解決するために有効な施策を検討・立案し、実施していくことが大切です。そのため、施策立案に向けたベースとなる健康課題の見極めは非常に重要になりますが、その際の検討材料となるのが従業員の健康診断結果です。診断を実施するだけでなく、その結果を健康経営に有効に活用するためにはどのように分析を行えばよいのでしょうか。今回は健康診断結果の分析方法について解説していきます。
データ化すべき? 健康診断結果の分析に向けた基本対応とは

企業での書類の電子化が進む現在において、健康診断結果についてもペーパーレス化が促進されています。かつては健康診断結果の個人票には医師や産業医の押印が義務付けられていましたが、2020年8月の法改正によりこれらが不要になったことが大きな要因のひとつです。これにより健康診断結果についてもデータ化して管理することが主流となりつつあります。
健康診断結果のデータ化によって、その情報管理は紙に比べて飛躍的に容易になりました。ある従業員の特定の検査項目についてスピーディなデータ取得が可能になり、しっかりアクセス制限をかけておけば、健康診断結果の紛失や流出のリスクも軽減できます。これにより担当者の負担を減らし、安全な管理が可能になったのです。
また、従業員の健康診断結果のデータを収集して分析することができれば、健康に向けた予防対策や指導をスムーズに実施することにも役立ちます。健康診断の結果をデータ化して分析することで、個人ごとにパーソナライズ化した対策も可能になります。健康診断結果をその後の分析に備えてデータ化しておくことは、健康経営を進める企業においては必要不可欠だといえるでしょう。
健康診断結果のデータを分析する方法や上手に活用する方法は?

健康診断結果のデータを効率的に分析するためには、医療機関からCSV形式で健康診断結果をもらい、ピポットテーブルやエクセル関数(IF関数、VLOOKUP関数など)を用いると便利です。
分析する項目は目的によって異なりますが、企業全体の有所見率(異常所見がある人の割合)に加え、検査項目ごとの有所見率を抽出する方法があります。有所見となる基準値は医療機関・健診機関によっても異なりますので、どんな基準で分類するかをあらかじめ決めておくなどの準備も必要です。その他にも、検査値の各判定の割合や、糖尿病や高血圧などの重症者と予備軍の割合など、データを活用すればいろいろな視点から分析することができます。40代以上を対象者とした特定健康診査(特定健診)の問診票には、高血圧、糖尿病や、飲酒・喫煙・食事・運動・睡眠といった生活習慣の項目もあるので、これらを活用してみるのもよいかもしれません。
各項目は他者と比較するだけでなく、経年で比較することで企業の課題がより明らかになります。また、過去数年にわたるデータを分析すれば、施策の前後での効果検証にも役立ちます。厚生労働省は「定期健康診断実施結果(年次別)」を発表しているので、これらを用いることで全国の有所見率と自社の従業員のデータを比較することも可能です。
さらに詳細な健康課題を抽出したいときは、ストレスチェックの結果や生活問診、遅刻・欠勤といった勤怠データを含む労働時間のデータ等の各種項目を掛け合わせる「クロス分析」を用いるのも効果的です。どんなことが知りたいのか、課題や目的などのポイントを明確にしておくことで、より効果的・効率的な分析ができるはずです。
分析の品質をアップするためには、外部サービスのアウトソーシング活用もおすすめ
健康診断結果のデータ化は、従業員の健康課題を発見するためには欠かせません。しかし、自社内でデータ化して運用していく方法では担当者の負担が重くなってしまいがちです。また、健康診断結果の正確な分析には専門知識が必要となるため、専門職であるスタッフのサポートといったコストも発生します。さらに、医療機関ごとにフォーマットや診断の判定基準が異なる点も懸念の一つです。これらのリスクや負担を回避する方法として、アウトソーシング事業者への外部委託という方法があることも覚えておくとよいでしょう。
たとえば、エムスリーヘルスデザインの運営による「ハピネス パートナーズ」は、自社で行うと煩雑になりがちな従業員の健康情報管理をまとめて効率化できるクラウドサービス。担当者が現場で使うことを想定した健康診断のデータ管理に向けて、下記のような健診管理機能を有しているのが特徴です。

特殊業務歴の登録・閲覧
有害とされる業務に従事する労働者、また特定の物質を取り扱う労働者を対象としたもので、管理が複雑なことから、ヌケモレが発生しやすい健康診断になります。ハピネスパートナーズでは、業務内容や期間、作業場所、取り扱い物質などの項目を従業員ごとに一括管理し、登録された業務歴を元に、必要な健診コースを表示します。従業員が扱う化学物質等を登録可能など、管理しにくい部分をしっかりと押さえているのも特徴です。
健康診断の進捗管理・未受診者の一括抽出・リマインド
健康診断の予約から進捗管理まですべて把握し、未受診者の一括抽出機能と一斉リマインド連絡で、簡単に後追い対応ができます。
健康・保健指導面談記録
面談記録や就業上の措置など、保健指導にかかわる内容を従業員ごとにまとめて記録。従業員にとって必要なケアを漏らさず把握できます。
閲覧権限の設定
機能ごとに閲覧・登録権限を細かく設定し、担当者など従業員の健康情報が必要な人だけ閲覧することができます。
紙から電子データへの移行サポート
これまで紙で管理されていた健診結果や保健指導などの健康情報を、専門スタッフのサポートのもとデータ情報に移行することができます。
このように健康診断に関する業務を外部委託できれば、担当者は煩雑な業務から解放されてコア業務に集中できるので、健康経営施策のさらなる推進も期待できるでしょう。
健康診断結果をもとに今後の健康施策に取り組むことは、健康経営企業にとっては大変重要です。自社の環境に合わせて、健康診断の分析とその有効活用に努めていきましょう。
<参考URL>
- 歯科医師、産業医の押印が不要となりました。|厚生労働省
https://jsite.mhlw.go.jp/aomori-roudoukyoku/newpage_00462.html
- ハピネス パートナーズ
https://m3hd.co.jp/service/partner
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