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健康診断で腎臓がひっかかる原因とは……予防に向けて企業ができること

公開日: 2024.1.18
更新日: 2026.2.19
健康診断で腎臓がひっかかる原因とは……予防に向けて企業ができること

健康診断で引っかかりがちな項目のひとつである腎臓の異常。腎臓は血液量が最も多く、体内の水分量やミネラルバランスを調整しつつ、老廃物を体外に排出して、きれいな血液を心臓に戻す重要な臓器です。それゆえ、従業員の生産性を左右する健康状態に大きくかかわる臓器のひとつとも言えます。今回は、腎臓の働きや指摘されやすい異常、その前段階となる従業員の脂質異常を防ぐ健康経営の施策アイデアについて紹介します。

そもそも腎臓の働きとは? 悪くなるとどうなる?

腎臓について説明する医師

まずは、腎臓の基礎知識から確認していきましょう。腎臓はそらまめのような形をした握りこぶし大の臓器で、腰のあたりに左右1つずつあります。血液をろ過し、体内の老廃物を捨てて、水分量を調整しながら尿を作りナトリウムや酸・アルカリのバランスを保って体を正常な状態に維持しています。そのため、腎臓の働きが低下すると老廃物や毒素が体に蓄積され、水分や電解質などのバランスが崩れて尿毒症を起こすほか、悪化すると腎臓病になって貧血や高血圧などを併発したり、骨がもろくなったりします。

腎臓は沈黙の臓器の一つと言われており、腎臓病は初期に症状を感じないケースが少なくありません。それゆえ、年度ごとに行う定期健康診断の結果が重要な指標となります。年齢によっては健康診断の際に血液検査で腎臓の機能をチェックすることもありますが、血糖値や血圧も指標の一つです。腎臓の機能は生活習慣病とも関係が深く、血糖値や血圧を改善させることは腎臓にとっても有効だと言えます。

健康診断で見つかる腎臓の異常を示す数値

自覚症状の乏しい慢性腎臓病(CKD)の場合、その早期発見に役立つのが尿中のたんぱく質の濃度を調べる尿検査と、血液中のクレアチニンを調べる血液検査です。クレアチニンとは血液中の老廃物のひとつであり、通常であれば腎臓でろ過され、ほとんどが尿によって排出されます。しかし、腎機能が低下していると、尿で排出されずに血液中に流れ出て、濃度が上昇します。この血液中のクレアチニンを「血清クレアチニン値」といいます。高齢者よりも若い方は筋肉量が多いので、クレアチニンの 数値は高くなる傾向があるため、症状や尿の状態などから、総合的な評価が必要となります。

腎臓に関して健康診断でひっかかる数値としては、「eGFR」という指標もあります。eGFRは血液検査に含まれている腎臓の機能に関わる数値で、1分間にどの程度血液を処理しているかを表しています。一度悪くなった腎臓は回復しませんが、悪化する前なら日常生活によってある程度改善できるとされています。標準値のeGFRは、100ml/分/1.73㎡前後です。タンパク尿などの腎障害がない場合でも、60ml/分/1.73㎡未満が続いていれば、CKD(慢性腎臓病)と診断されます。ただし、eGFR が 90ml/分/1.73㎡以上の場合でも、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙習慣など腎臓に障害を与える危険因子を持っている方は注意が必要です。

従業員の腎臓の健康を守るための企業施策のアイデア

ランニング・ジョギング・ウォーキングする男

先述の通り、腎臓が悪くなる病気は生活習慣病との関係が深いため、これらを改善させる取り組みが有効だといえます。従業員の生活習慣病を防ぐために企業として実施できる施策について、いくつか例を挙げてみましょう。

運動セミナーの開催

従業員の運動不足の解消に向け、定期的に健康情報を発信したり、健康セミナーを開催したりするなど、従業員に運動習慣をつけるきっかけを作りましょう。セミナーを座学ではなく体験型にすれば、自身の運動不足への気づきや今後の運動実践のきっかけとしても役立つだけでなく、従業員同士のコミュニケーション活性化にもつながります。また、業務時間内に開催することで従業員に参加してもらいやすくするなどの工夫も大切です。

ウォーキングの促進

1日の理想的な歩数は8000歩から1万歩とされています。そこで、企業がウォーキングの重要性を従業員に知らせ、万歩計アプリや活動量計の導入等で従業員の歩いた歩数を可視化することで、従業員の健康意識を高められます。従業員の歩いた歩数をカウントしてポイント化し、景品と交換できるといったインセンティブを導入するなどの制度を設ければ、より一層の施策活性化も期待できます。

スタンディングテーブルの導入

長時間の座り過ぎは、姿勢が固定化されることによる代謝の低下や下半身の血流悪化を招き、心筋梗塞や脳血管疾患の危険性を増大させるほか、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクにもなります。そこで会議室等にスタンディングテーブルを導入し、立ち上がった状態での会議を推奨したり、昇降式のデスクをオフィスに導入して、立ち・座りのいずれでも作業が進められるようにしたりすることで、従業員が座りっぱなしになる状態を予防できます。

食育セミナーの開催

管理栄養士や食育アドバイザーなどを招き「生活習慣病を予防するレシピ」や「簡単に作れて栄養が補える献立」などのセミナーを実施すると、従業員が普段の食生活を見直すきっかけづくりに役立ちます。継続的な食育施策とするために、定期的に開催するなどの工夫も必要になります。

昼食提供サービスの導入

昼食に野菜を豊富に使った栄養バランスのよい食事を提供することは、従業員の健康維持に有益です。一人暮らしの従業員が多い場合は、自分で作らなくても栄養バランスがよい食事が摂れ、昼食代の節約にもなるため、特に有効な取り組みだと言えます。弁当や給食の「配達サービス」や、冷蔵庫にあるメニューをレンジで解凍して食べてもらう「設置型サービス」など、企業の規模やニーズに応じて選ぶとよいでしょう。

日頃の運動習慣や食習慣の見直し・改善は、生活習慣病の予防に有効、ひいては腎臓の健康維持にも役立つはずです。従業員に対し、健康診断での異常判定を減らすための取り組みとして、自社で検討してみてはいかがでしょうか。

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