今年度(2025年発表)の健康経営顕彰制度の改訂点は?中小規模事業者に注目して解説

経済産業省は、2024年7月23日に「健康・医療新産業協議会・第12回健康投資ワーキンググループ」を開催。今年度(2025年発表)の健康経営顕彰制度について、その⽅向性、改訂のポイントが発表されました。本記事では新たな⽅向性を踏まえ、健康経営度調査や申請書にどのような改訂があったのかについて紹介。ここでは中小規模事業者に対するポイントに絞って解説していきます。
中小規模事業者へ示された方向性と英語表記変更のアナウンス
経済産業省による「健康・医療新産業協議会・第12回健康投資ワーキンググループ」では、⽇本経済社会を⽀える基盤としての健康経営を⽬指すため、「健康経営の可視化と質の向上」「新たなマーケットの創出」「健康経営の社会への浸透・定着」の3本柱に基づいて、健康経営顕彰制度についての調査票の内容や制度設計の在り⽅を⾒直し、⽀援産業の事業環境を整えることが述べられました。
併せて「健康経営優良法人」のロゴ表記について、海外へ発信する際にこれまで英語で併記されてきた「Health and Productivity」の文言では「健康経営の概念が伝わりにくい」という指摘を受けたことにより、伝わりやすさを意識した「KENKO Investment for Health」と変更することも発表されました。

続いては、「健康経営の可視化と質の向上」「健康経営の社会への浸透・定着」のテーマ別に、具体的に示された改訂ポイントをご紹介します。
「健康経営の可視化と質の向上」に関する具体的な施策/中小規模事業者編
健康経営について、取り組み意義の明確化と効果の可視化に対する意識づけを高め、さらに多様な背景を持つ従業員への⽀援に向けた配慮が示されています。
ブライト500申請法⼈フィードバックシートの公開
ブライト500の認定意義には「他社の模範となること」も含まれており、中⼩企業においても⾃社の取り組み内容や⽴ち位置を公開することで、健康経営の裾野拡⼤に繋がることが期待されます。そこで今年度より、ブライト500申請法⼈に対しては経済産業省のウェブサイトなどを通したフィードバックシートの公開が求められることになります。ただしその際、「開示可」「認定された場合のみ可」など、フィードバックシートを公開する条件を選択できる問いを設けることで各法⼈の意向を確認する予定です。

あらたな顕彰枠「ネクストブライト100」の設定
ブライト500の申請は、申請法⼈数、そのレベルともに全体的に向上していることを受け、「次はブライトを⽬指してほしい」との意図を込めて、ブライト500と通常認定の間に新たな冠「ネクストブライト1000」を新設。健康経営の質を⾼めるためのステップをより明確にしたブライト500、ネクストブライト1000、通常認定の3層構造となる予定です。
ただし、ブライト500から順位を落とした場合まで入れるのか、幅広く作るべきなのかといった部分は追加検討されることになっています。

「健康経営の社会への浸透・定着」に関する具体的な施策/中小規模事業者編
国内の⼤多数を占める中⼩企業への配慮を中心に、さらに雇⽤形態の多様化に対応していくために、以下の改訂ポイントが示されました。
⼩規模法⼈への特例制度の導⼊
従業員数の少ない⼩規模法⼈に対して、取り組みの実態に合わせた健康経営の推進を促し、健康経営優良法⼈の申請間⼝を拡⼤していくために、認定要件を低減した特例を設ける予定です。対象となるのは、中⼩企業基本法における⼩規模事業者、及びその他法⼈格における従業員数5⼈以下の法⼈に限定されます。また、裾野の拡⼤と質の維持・向上の観点から⽬的に合った活⽤がなされているかについて検証するため、特例制度は試験的な導⼊とし、3年以内の⾒直しを予定しています。


健康宣⾔事業未実施の国保組合・共済組合等加⼊法⼈への対応
⾃治体で実施している宣⾔事業については、⾃治体からの積極的な広報・周知が⾏われていないケースも少なくないため、申請法⼈の情報把握が難しいという現状があります。また、⾃治体での宣⾔事業は参加期間が限られている場合があり、健康経営の本質とは関係のない部分で健康経営に取り組めない法⼈が⽣じているという課題も。そこで、健康宣⾔事業を実施していない一部国保組合・共済組合等の加⼊法⼈において、申請法⼈を取り巻く環境に配慮し、⾃治体での宣⾔事業実施の有無にかかわらず⾃⼰宣⾔が認められるようになります。

「健康経営優良法人」の選定⽅法とスケジュール
「健康経営優良法人」の選定⽅法については、これまでと変更なく進行される予定です。

認定までのフロー
- 2024年8⽉19日〜10⽉18日:申請受付
- 2024年12⽉:フィードバックシート速報版送付(ブライト500のみ)
- 2025年2⽉:内定
- 2025年3⽉:健康経営優良法人の発表(評価結果送付)

社会を取り巻く状況によって刻々と改訂されていく健康経営顕彰制度。健康経営のスムーズな推進のためには、年度ごとの情報アップデートを心がけてください。
<参考URL>
- 第12回 健康投資ワーキンググループ|経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/012.html
健康経営/産業保健コラムシリーズ
企業に義務付けられている産業保健体制の構築から 健康経営の考え方・推進法まで幅広い話題をご提供。 これを読むだけで今求められている施策・対応への理解が進みます。





