健康経営/産業保健コラムハピネスパートナーズ

従業員の栄養指導は管理栄養士と栄養士どちらに依頼すべき?  目的や内容とともに解説

2025.5.28

「従業員の栄養指導は、管理栄養士と栄養士どちらに依頼するといい?」

「従業員に栄養指導を行う目的は?」

従業員の健康管理を行ううえで、上記のようにお悩みではありませんか。

企業は特定健康診査で生活習慣の改善が必要と判断された従業員に対し、特定保健指導を受けさせるよう努める義務があります。その中でも、栄養指導を誰に依頼すべきかは、多くの人事担当者が直面する課題です。

栄養士は、栄養指導を含む特定保健指導ができないため、管理栄養士に依頼する必要があります。

本記事では、従業員の栄養指導は管理栄養士と栄養士のどちらに依頼すべきかを、指導の目的・内容とともに解説します。

従業員の栄養指導は管理栄養士と栄養士どちらに頼むべき?

特定保健指導における栄養指導は、管理栄養士に依頼するのが一般的です。

そもそも栄養士は、特定保健指導における栄養指導ができません。なぜなら、栄養士ができるのは、健康問題がない方を対象とした栄養の指導や食事の管理のみだからです。

特定保健指導の栄養指導は、生活習慣病の発症・重症化リスクが高い方を対象に行う医療的行為です。そのため、指導者には、栄養に関する高度な専門性と技能を有する管理栄養士が適任といえます。

なお、特定保健指導の栄養指導は、管理栄養士だけでなく医師、保健師、一定の実務経験がある看護師でも担当できます。従業員の診断結果、症状の程度によっては医師や保健師、看護師への依頼も検討しましょう。

管理栄養士に栄養指導を依頼する目的

特定保健指導における栄養指導を管理栄養士に依頼する目的は以下のとおりです。

  • 生活習慣病の予防・症状の改善
  • 従業員の健康に対する意識の向上

それぞれの内容を詳しく解説します。

生活習慣病の予防・症状の改善

特定保健指導において管理栄養士に栄養指導を依頼する目的は、生活習慣病の予防や症状を改善するためです。

高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、偏った食事が原因の一つとなって発症します。従業員の生活習慣病の発症、進行を防ぐためには、従業員自らが食生活を見直し、改善していくことが重要です。

栄養指導では、特定健康診査で特定の疾患や発症リスクが認められた個人に対し、ヒアリングを行ったうえで食生活の改善をサポートします。

従業員に自らの健康状態と食生活との関係性を理解してもらい、食生活を改善するよう促すことで、自分の健康状態に合った食事を選択する行動変容が期待できます。

従業員の健康に対する意識の向上

特定保健指導で管理栄養士に栄養指導を依頼することには、従業員の健康に対する意識を向上させる目的もあります。

特定健康診査で異常な所見が認められず、健康問題がない方でも、生活習慣病の発症リスクはあります。また、生活習慣病を予防・改善するためには、従業員一人ひとりが健康に対して高い意識をもつことが重要です。

特定保健指導の栄養指導では、生活習慣病のリスクがない方も含めた特定健康診査の全受診者に対し、より健康的な食生活が送れるようアドバイスを行います。

偏った食事が体に及ぼす健康リスクや、栄養に関する有益な情報を与えることで、従業員の健康に対する意識の向上が期待できます。

管理栄養士が行う特定保健指導の内容

管理栄養士が特定保健指導の対象者(比較的リスクが高い人)に向けて行う栄養指導には、以下の2つがあります。

  • 動機付け支援
  • 積極的支援

それぞれの内容を詳しく解説します。

動機付け支援

動機付け支援は、特定健康診査でメタボリックシンドローム予備軍と認められた方を対象に行われる指導です。

動機付け支援では、対象者が生活改善を実行するための動機付けを行います。対象者に自らの健康状態を自覚させ、生活改善の必要性を理解してもらい、行動変容を促すことが目的です。

対象者の生活習慣を振り返り、生活改善の目標と計画を立てる面談指導が、特定健康診査後に原則として1回行われます。

積極的支援

特定健康診査でメタボリックシンドロームと診断された方に対しては、積極的支援が行われます。指導内容は動機付け支援とほとんど同じですが、継続的な支援を行う点が大きな違いです。

初回の面談で生活改善の目標と計画を立てたのち、体重・腹囲の測定、食事記録などの支援が3ヶ月以上継続して行われます。

栄養指導を行う際に人事担当者ができる取り組み

管理栄養士による栄養指導を行う際、人事担当者ができる取り組みには、以下のようなものがあります。

  • 特定保健指導の対象者へ声掛けを行う
  • 就業時間内に特定保健指導を受けられるように配慮する
  • 健康セミナーを開催する
  • 食事に関する相談会を開催する
  • 食や栄養に関するイベントを実施する

栄養指導を行うためには、まず従業員に特定保健指導を受けてもらう必要があります。

特定保健指導の実施は企業の努力義務ですが、受けるかどうかは従業員の任意であるため、実施が進んでいないのが現状です。厚生労働省の調査によると、2022年における全国の特定保健指導の実施率は26.5%となっています(※)。

従業員に特定保健指導を受けるメリットを伝えたり、指導を受けやすい環境を整えたりすれば、実施率の向上が期待できます。あわせて健康セミナーや食・栄養に関するイベントを実施すれば、従業員の健康意識が高まり、食生活の改善率向上も見込めるでしょう。

なお、健康セミナーや栄養に関するイベントは栄養士にも依頼可能です。自社の課題や実態を把握したうえで管理栄養士や栄養士と連携し、実効性のある内容・プログラムを策定しましょう。

(※)「2022 年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」(厚生労働省)

管理栄養士による栄養指導を適切に行って従業員の健康を守ろう

企業において特定保健指導による栄養指導を実施するには、管理栄養士や医師、保健師、看護師への依頼が必要です。栄養士は、栄養指導を含む特定保健指導ができないため注意しましょう。

また、従業員が食生活を改善し、より健康的な生活を送るためには、企業側の継続的なサポートも欠かせません。

管理栄養士による栄養指導や食・栄養に関するサポートを適切に行って、従業員の健康の保持増進を図りましょう。

栄養指導や栄養のサポートを適切に実施するためには、従業員の健康状態や健康診断の結果を正確に把握する必要があります。その際、従業員の健康状態や健康診断の結果を効率的に参照できるシステムがあると便利でしょう。

エムスリーが提供するハピネスパートナーズは、すべての従業員の健康情報をクラウド上で一元管理できます。特定健康診査などの健康診断結果を瞬時に参照できるため、従業員に対しどのような措置を行うべきかがすぐにわかるでしょう。

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