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健康経営の課題抽出に!ラインケアのためのマネージャーヒアリング法

2024.3.28
健康経営の課題抽出に!ラインケアのためのマネージャーヒアリング法

企業が従業員のメンタルヘルス対策を推進する上で重要は役割を持つのが、マネージャーによる「ラインケア」です。特に健康経営を目標として掲げる企業は、課題抽出に向けて重点的にラインケアに取り組み、部下からの相談にのったり、職場環境の改善などを行う必要があります。今回はこのラインケアにおける、マネージャーが部下のメンタル不調に気づくためのヒアリング方法について解説します。メンタルヘルスケア対策の一助として、部下の行動把握の仕方についても紹介します。

そもそも「ラインケア」とはどういうもの?

2006年、厚生労働省による「労働者の心の健康の保持増進のための指針」において、従業員のメンタル不調対策には4つのケアを上手く機能することが大切であると示されました。4つのケアとは、「セルフケア」「ラインケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」になります。

なかでもラインケアとは、課長・部長などの職責にある現場のマネージャー、すなわち管理監督者(=ライン)が主体となり、従業員の健康管理に取り組むメンタルヘルス対策のことを指します。健康経営の推進に向けては、マネージャーの従業員に対するケアは重要なタスクであり、たとえばメンタル不調の部下の相談に対応したり、休職後の職場復帰を支援したりと、マネージャー自らが主体的に職場環境を改善していく必要があります。

職場において考えられるストレスの原因には、「仕事の質」「仕事の量」「職場の人間関係」「職場の環境」などがあります。企業には「従業員を業務に従事させるにあたって、過度の疲労や心理的負担をかけて社員の心身健康を損なうことがないように注意する」という安全配慮義務が労働契約法で定められています。会社から「部下である従業員を管理監督する権限」が付与されているマネージャーは安全配慮義務を負っていると考えられるため、上手くコントロールしながら部下のストレスを軽減することが求められるのです。

ヒアリングはどのようにして行う?ラインケアの取り組み方

ヒアリングイメージ

では、ラインケアにおいて、マネージャーが取り組むべき業務にはどのようなことがあるのでしょうか。具体的に確認していきましょう。

普段と異なる部下の行動把握

マネージャーは日頃から部内の労働状況を踏まえた部下の「普段」の状態を把握し、異変があればいち早く察知しなくてはなりません。たとえば「遅刻、早退、欠勤や無断欠勤が増える」「表情や動作に活気がなくなった」「これまでにないミスが目立ち、仕事の能率が落ちた」「不自然な言動が目立つようになった」といったことが目につくようであれば、それはメンタル不調のサインかもしれません。

相談を受けやすい雰囲気づくり

ラインケアを担当するマネージャーにとって、部下からの相談対応も重要な業務です。いつでも部下から相談を受けられるよう、日頃から相談しやすい環境や雰囲気をつくっておくことも重要でしょう。

部下へのヒアリング

部下へのヒアリングで注意したいのは、まず相手を受け止め、相手の悩みにきちんと関心があることを表情や態度で表し、その上で相手の立場に立って「もしも自分なら?」と考える。この順番を徹底することで、相手も心を開きやすくなるはずです。部下の話を頭から否定することは避け、ヒアリング後は必要に応じて産業保健スタッフや人事等への相談を促しましょう。部下が自ら相談することに拒否感を示した場合は強要せずに、マネージャーが代理で産業保健スタッフや人事に相談して指示を仰ぐことも可能ですが、その際はその旨を部下にきちんと伝えておくことも重要です。

復職者の支援

メンタルヘルス不調で休職した従業員が職場復帰した際のフォローも、ラインケアの重要な役割です。復職者が抱える多くの不安を払拭すべく、マネージャーは復職者の緊張感をほぐし、職場に迎え入れる体制を整えておきましょう。復職者は原則的に元の職場に復帰しますが、以前と同じような業務負荷をかければ疾患が再発する恐れがあります。主治医や産業医に指示を仰ぎながら、健康状態に適切な業務を与えることが大切です。復職後も定期的に面接を行い、都度状況を確認しておくことも重要になるでしょう。

ラインケアの推進で企業はどう変わる? 導入のメリットは?

マネージャーによるラインケアの推進がなぜ重要なのか、健康経営企業としてのメリットについても、最後にあらためて確認しておきましょう。

従業員のメンタルヘルス不調の解消

マネージャーがラインケアを実施することで、部下が抱える課題のキャッチアップと適切な対処がよりスピーディに行えるようになり、従業員のメンタルヘルスの課題は解消しやすくなります。また、部下はストレスや不安をマネージャーに共有することで、良好なメンタルヘルス状態を維持しやすくなることも期待できます。

生産性の向上や離職率の低下

ラインケアはマネージャーと部下の信頼とコミュニケーションによって成り立つものであり、そのコミュニケーションが良好に作用していれば従業員は意欲的に業務に取り組むことができるため、生産性の向上や離職率の低下も期待できます。

安全配慮義務の遵守につながる

先述の通り、従業員が業務や職場環境を原因としてメンタルヘルスの不調に陥った場合は、法令違反を指摘される可能性もあります。マネージャーが部下に直接働きかけられるラインケアは、企業に課せられている安全配慮義務を遵守するために最適な手段のひとつであるともいえるでしょう。

健全な健康経営の推進に欠かせないラインケアですが、メンタルヘルス不調に関する相談は部下からは評価の低下や自身の仕事の変化につながるリスクが有るため、言い出しにくいものです。そのため、客観的視点としてマネージャーの気づきがとても重要となります。部下の変化を早期に察知できるよう、マネージャーは普段から密に部下とのコミュニケーションをとりながら、些細なことでも相談しやすい環境づくりを推進していきましょう。合わせて、企業側にはマネージャーをサポートできる体制の整備が求められていることもしっかりと認識しておきましょう。

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