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健康経営優良法人認定に活用できる助成金一覧|コストを抑えて認定を目指す方法を解説

公開日: 2026.5.11
更新日: 2026.5.11
健康経営優良法人認定に活用できる助成金一覧|コストを抑えて認定を目指す方法を解説

健康経営優良法人の認定を目指す中で、「費用対効果」や「予算確保」に頭を悩ませる健康経営担当者の方は少なくありません。取り組みを進めたいものの、経営層からコスト面の理解を得られず、施策がストップしてしまうケースも散見されます。
本記事では、健康経営優良法人の認定要件をクリアするために活用できる「助成金」の仕組みと具体的な施策について解説します。制度を正しく理解し、戦略的に助成金を活用することで、実質的なコスト負担を抑えながら効果的に健康経営を推進することが可能です

健康経営とは?

健康経営とは、従業員の健康管理を単なる福利厚生としてではなく、経営的な視点から戦略的に実践する手法のことです。

従業員の健康維持・増進へ投資することで、主に以下のような効果が期待できます。

  • 従業員の活力向上
  • 労働生産性の向上
  • 医療費の削減

これらの結果として企業の業績向上や組織の活性化をもたらすため、健康経営は「企業価値を最大化する経営戦略」として位置づけられています。

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健康経営優良法人とは?定義と認定基準

健康経営優良法人認定制度の定義

健康課題に即した取り組みや、日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度です。経済産業省が制度設計を行い、日本健康会議が認定を実施しています。

認定基準について

優良な法人として認定を受けるためには、以下のプロセスに沿って定められた基準を一定以上満たす必要があります。

  1. 経営理念・方針の明文化
  2. 組織体制の構築
  3. 制度・施策の実行
  4. 評価・改善

【具体的な条件の例】

  • 定期健診の受診率100%の達成
  • ストレスチェックの実施と、集団分析結果の把握
  • 受動喫煙対策の実施 など

認定取得に向けたプロセスと上位認定

認定を取得するためには、担当部門が中心となって社内の課題把握から具体的な計画策定、関連施策の周知、継続的な運営を行う必要があり、相応の時間と労力が求められます。

また、より高い基準を満たし高度な施策を展開した法人は、上位認定である「ホワイト500」(大規模法人部門)や「ブライト500」(中小規模法人部門)といった特別な冠を獲得することができます。

【重要】健康経営優良法人の認定取得に助成金は直接もらえるのか?

結論から申し上げますと、健康経営優良法人に認定されたこと自体に対する「直接的」な助成金や報奨金は存在しません。これは多くの経営者や担当者が誤解しやすいポイントです。経済産業省や厚生労働省が用意している制度は、認定という「結果」に対して賞金を支払うものではありません。

しかし、認定の必須要件を満たすための「具体的な取り組み」の過程において、国の各種助成金を活用することが可能です。

ここで、助成金と補助金の違いを正しく理解しておく必要があります。一般的に補助金は、経済産業省などが管轄し、事業成長や新しい取り組みの支援を目的としていますが、採択件数や予算に上限があります。一方、厚生労働省が管轄する助成金は、雇用管理の改善や労働環境の整備を目的としており、要件を満たせば原則として受給できるという特徴があります。

つまり、「認定されたらお金がもらえる」のではなく、「認定要件をクリアするための労働環境整備や制度導入に助成金を使うことで、実質的な持ち出し費用を抑えられる」というのが正しい認識です。このパラダイムシフトを持つことで、戦略的に制度を活用し、コスト負担を軽減しながら健康経営優良法人の認定を獲得する道が開かれます。

健康経営の推進・認定に使える主な助成金

健康経営優良法人の認定基準を満たすために活用できる主な助成金をご紹介します(※本項は2025年度の実績に基づきます。申請時は最新の交付資料等で詳細をご確認ください)。それぞれの助成金が、どの認定基準を満たすために機能するのかを紐付けて理解することがポイントです。

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース等)

魅力ある職場づくりのために労働環境の向上を図る事業主を支援する制度です。

  • 認定基準との紐付け: メンタルヘルス対策、従業員の健康確保。人間ドックの費用補助制度や、外部のメンタルヘルス相談サービスの導入など、健康づくり制度の整備に活用できます。
  • 対象要件と受給額: 雇用管理制度を導入・実施し、離職率の低下目標を達成することが条件です。目標達成時に一定額が支給されます。
  • 公式情報・申請ページ: 厚生労働省:人材確保等支援助成金のご案内

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業務改善助成金

事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げ、設備投資などを行った中小・小規模事業者に対して、その費用の一部を助成する制度です。

  • 認定基準との紐付け: 労働環境の整備、長時間労働の是正。勤怠管理システムや業務効率化ツールの導入による労働負担の軽減が該当します。
  • 対象要件と受給額: 中小・小規模事業者が対象です。賃金の引き上げ額や引き上げる労働者数に応じ、設備投資にかかった費用の一部が助成されます。
  • 公式情報・申請ページ: 厚生労働省:業務改善助成金

働き方改革推進支援助成金

労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援する制度です。

  • 認定基準との紐付け: ワークライフバランスの推進、過重労働対策。労務管理用ソフトウェアの導入や、外部専門家によるコンサルティング費用などに充てることができます。
  • 対象要件と受給額: 労働時間短縮や休暇制度の整備に向けた目標を設定し、各種取り組みを実施します。成果に応じて交付されます。
  • 公式情報・申請ページ: 厚生労働省:働き方改革推進支援助成金

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受動喫煙防止対策助成金

中小企業事業主が、事業所内において受動喫煙を防止するための施設設備を整備する際にかかる費用の一部を助成する制度です。

  • 認定基準との紐付け: 受動喫煙対策の実施(健康経営優良法人の必須要件)。
  • 対象要件と受給額: 労働者災害補償保険の適用事業主である中小企業が対象です。喫煙専用室の設置などに係る経費の一部が助成されます。
  • 公式情報・申請ページ: 厚生労働省:受動喫煙防止対策助成金

※年度によってコースの名称や要件が変更されるため、最新の公募要領をご確認ください 

助成金で導入できる!健康経営を推進する具体的な施策

助成金を活用することで、企業は費用負担を抑えながら具体的な施策を打つことができます。ここでは、認定制度のクリアにつながる代表的な施策を解説します。

健康管理システム・ITツールの導入

働き方改革推進支援助成金や業務改善助成金などを活用し、従業員の健康診断結果やストレスチェックのデータ、勤怠情報を一元管理するクラウドベースの IT ツールを導入します。 紙や Excel での管理から脱却することで、担当者の業務負担が大幅に軽減されます。また、データを可視化することで、病気の予防や早期発見のための具体的な措置を講じることが可能となります。IT を使用し、データを適切に活用することが、実効性のある健康経営を推進する上で不可欠です。

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多様な働き方の推進とワークライフバランスの実現

働き方改革推進支援助成金などを利用して、テレワーク用の通信機器や、業務効率化のための設備を導入します。これにより、従業員は多様な働き方が可能となり、仕事と私生活の調和(ワークライフバランス)を取りやすくなります。 また、柔軟な働き方の実現は、育児や介護と仕事の両立支援にもつながります。さらに、社内に運動器具を設置したり、リフレッシュルームを整備したりする取り組みを行う企業事例も増えており、これらは従業員の心身の健康づくりに直結します。

※助成金申請時には審査があります。必ずしも助成金が活用できるわけではない為ご留意ください。申請前に管轄の労働局または社会保険労務士へご確認ください。

助成金を活用して健康経営優良法人を目指す3つのメリット

助成金を活用して健康経営優良法人を目指すことには、導入・運用にとどまらない経営視点での大きなメリットがあります。

1. 導入・運用コストの大幅な削減と投資対効果の向上

各種システムや設備の導入、外部コンサルティングにかかる費用を助成金でカバーすることにより、事業主のコスト負担を大幅に削減できます。浮いた資金をさらなる事業投資や従業員の教育・賃金引き上げに回すことで、組織全体の生産性向上が実現します。結果として、限られた予算内で最大の投資対効果を得ることができます。

2. 従業員のモチベーション向上と採用力強化・離職率低下

助成金を活用して職場環境や福利厚生を充実させることは、従業員の会社に対する満足度向上に直結します。働きやすい労働環境の整備は、従業員の定着を促進し、離職率の低下をもたらします。また、労働者への配慮が行き届いた優良な中小企業として評価されることは、採用市場における強力なアピールポイントとなり、採用力強化に貢献します。

3. 企業のブランド価値向上と労務コンプライアンスの強化

健康経営優良法人としての認定実績を獲得することは、企業のブランド向上につながります。「従業員を大切にする会社」としての認知は、顧客や取引先からの信頼を高め、企業価値を向上させます。また、助成金の申請要件を満たす過程で、必然的に労務コンプライアンスが強化されるため、将来的な法的リスクを防ぐ防御的効果も期待できます。

まとめと今後の展望(2026年以降の視点)

従業員の健康を管理し、安全な労働環境を確保することは、企業の競争力を高め、社会全体に寄与する重要な経営課題です。規模の大小を問わず、健康経営の推進は企業の持続的な成長に不可欠です。

2026年以降の動向として、人的資本経営への注目がさらに高まる中、国や自治体による健康経営への支援は継続・拡充されると予想されます。健康経営銘柄への選定や各種イベントでの評価など、外部からの注目度も維持されるでしょう。

助成金は、単なる一時的な資金調達の目的で利用するものではありません。健康管理ツールの導入や制度の拡充にかかる費用の一部を助成金で賄い、浮いた資金をさらなる人材投資へ回す。このサイクルを確立することが重要です。

助成金を戦略的に活用し、従業員がいきいきと働ける持続可能な経営モデルの構築を目指して、今すぐ具体的な取り組みをスタートさせてください。

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参考文献

健康経営/産業保健

健康経営/産業保健コラムシリーズ

企業に義務付けられている産業保健体制の構築から 健康経営の考え方・推進法まで幅広い話題をご提供。 これを読むだけで今求められている施策・対応への理解が進みます。

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