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健康経営の大きな障壁にもなりえる!?侮りがたい花粉症の影響と対策

公開日: 2023.11.28
更新日: 2026.2.19
健康経営の大きな障壁にもなりえる!侮りがたい花粉症の影響と対策

真面目な従業員ほど、少しくらいの体調不良では無理をしてしまいがち。また、そんな従業員の勤勉さを評価している企業も少なくないのが現状です。当然、花粉症についても「これくらいなら…」と出社してしまうケースも多く見られますが、実は体調不良のまま働くことは企業にとって大きな損失を招く結果になることも……。健康経営にとって深刻な、花粉症が引き起こす目に見えない損失や、企業が講じるべき対策について解説していきましょう。

プレゼンティーズムの原因として代表的な花粉症

鼻をかむ女性

花粉症が引き起こす健康経営上での問題を語るためには、まず「アブセンティーズム」と「プレゼンティーズム」の理解が必要でしょう。

「アブセンティーズム」とは、欠勤や休職、早退などによって仕事が行えない状態となることを指します。働けないことでその生産性は当然ゼロとなってしまうので、企業活動への支障は想像に難くありません。

一方、「プレゼンティーズム」とは、出勤していても体調不良による労働意欲や集中力の欠如から、本来のパフォーマンスが発揮できない状態のこと。体調の悪さを押し切って出社したものの、結局仕事に身が入らなかった……というのは、多くの人の身に覚えがある経験のはずです。仕事に対する意欲は素晴らしいものの、上記のような目に見えないパフォーマンス低下による損失の累積が企業に与える影響は、実は小さくありません。「パフォーマンスは下がろうとも、まったく仕事ができないアブセンティーズムよりはマシ」という声もありそうですが、休養をとって早期の回復をはからず、長期的に効率の悪い労働を続けた結果、トータルでの生産性ではプレゼンティーズムの損失額の方が大きかった……ということケースも多いと考えられます。

こうしたプレゼンティーズムの原因には、偏頭痛や肩こり、眼精疲労、月経不調、更年期障害などといったさまざまな症状がありますが、国内の罹患者が相当数に上る花粉症も大きな要因の一つといえるでしょう。

花粉症による生産性の低下が引き起こす経済的損失額は?

今や国民病ともいわれる花粉症。スギだけでなくブタクサなどさまざまな花粉によって引き起こされるアレルギー性鼻炎です。まったく動けず会社を休まなくてはならないというほどの症状ではないものの、一日を通した業務中に様々な煩わしさを感じる人も多いのではないでしょうか。たとえば、仕事中にくしゃみをするたびに思考がストップしてしまう、鼻水が出る度に仕事の手を休めて鼻をかまなければいけない、頻繁に手や顔を洗いに洗面所へ行くといったように、花粉症による業務時間のロスを経験したことがある人は少なくないはずです。

花粉症などアレルギー性鼻炎患者におけるこうした労働時間の損失は、年間で12.74日分にも上り、金額換算すると1人あたり年間19万1783円の経済的損失を生じているとする試算もあります。物理的な時間のロス以外にも、花粉症は症状や薬による副作用などで集中力が失われ、仕事のパフォーマンスが低下してしまう点もまた大きな問題であるといえるでしょう。

花粉症の従業員ケアに向けて企業がすぐに検討すべき対策は?

花粉症が従業員の健康、ひいては企業の生産性を大きく左右する以上、花粉症対策を施すことは企業にとっても重要な課題です。では、企業ができる花粉症対策にはどのような方法があるのでしょうか。具体例を挙げて紹介します。

①オフィス・仕事場に花粉を入れない

オフィス内に花粉を入れないための工夫から。たとえば、花粉除去用の専用ブラシや粘着ローラー、花粉対策スプレーを設置して、入室前に必ず花粉やほこりを落とすことをルール化し、従業員に習慣づけるための啓蒙を進めましょう。最近では、衣類の花粉や汚れを落とす専用の機械も売られています。窓に花粉対策用のカーテンをつけるといった方法も有効です。

②オフィス・仕事場から花粉を取り除く

花粉をオフィス内から排除するための手段としては、空気清浄機の導入・設置などがあります。空気清浄機のフィルターはメンテナンスも必要なので、こちらもルール化しておいた方がよいでしょう。他にも、空気中の花粉を湿らせて床に落とすことができる加湿器の活用も検討してみるといいかもしれません。

③企業独自の対策を導入

さらに、花粉症の従業員に対する自社独自のケアを検討してみてもいいかもしれません。たとえば、花粉のピーク時に外出の機会を減らすため、在宅勤務制度の導入・拡大などが考えられます。花粉症による病院の診察費、処方箋代を支給する「花粉症手当」を導入したり、ティッシュやマスク、市販の薬類などを無償配布したりする企業も登場しています。花粉が飛んでいない季節に行う舌下免疫療法などの「根治治療」に対して、業務時間内に通院を許可するなどの補助も、最近ではよく見られます。

こうした設備や制度導入にはコストがかかりますが、くしゃみや鼻詰まりによる従業員の労働損失を防ぐための設備投資として捉えることも、健康経営の観点からは重要です。花粉症の従業員が、企業のケアをポジティブに感じてモチベーションを高めれば、さらなる生産性向上のきっかけにもなるかもしれません。

<参考URL>

健康経営/産業保健

健康経営/産業保健コラムシリーズ

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