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健康経営を推進する上で、中小企業と大手企業で対応の違いはあるの?

2024.5.7
健康経営を推進する上で、中小企業と大手企業で対応の違いはあるの?

従業員などの健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する健康経営の推進は、企業規模に関係なく業績向上のための重要なミッションとなってきました。ただし、そのなかの目的のひとつである「健康経営優良法人」認定制度においては、中小企業と大手企業とで認定に向けてやるべきことに違いがあります。今回は、健康経営を推進するにあたって取得を目指したい認定制度における、中小企業と大手企業での段取りの違いについて解説していきます。

健康経営の推進に活用したい「健康経営優良法人」認定制度とは?

「健康経営優良法人認定制度」は、優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」として社会的に評価を受けることができる環境を整備していくことを目的に制定されたものです。ただ、このような顕彰制度が初期から存在したわけではありません。もともとは2015年に健康経営を特に推進している上場企業に対して「健康経営銘柄」として選定したことが始まりです。「健康経営銘柄」は、銘柄の名前がつく通り、対象は東京証券取引所に上場している企業のみと限られた範囲で、しかも原則1業種1社のみ選定と狭き門だったため、多くの企業が選定されない状況となっていました。これら優良な健康経営に取り組む企業を広く認めていこうという動きから、2016年に始めて「健康経営優良法人2017」、「健康経営優良法人2017(中小規模法人部門)」が設立され現在まで続いています。

前述した通り、健康経営優良法人と健康経営銘柄の目的は、どちらも「健康経営」の推進です。健康経営優良法人は大規模法人と中小規模法人の2つの部門に分かれており、「健康経営優良法人2023」では、大規模法人部門に2676法人、中小規模法人部門に14012法人が認定されました。そのなかでも特に優れた、東京証券取引所に上場している企業の中から健康経営銘柄が選ばれます。

大規模法人部門と中小規模法人部門のそれぞれで健康経営優良法人が選定されますが、なかでも特に優良な健康経営を実践している上位500法人に対しては「ホワイト500」(大規模法人部門)、「ブライト500」(中小規模法人部門)という特別称号も与えられます。

人口減少にともない労働力人口が減少を続ける今、企業の人手不足はこれからも加速していくことが予想されています。人材確保が企業の喫緊の課題となるなか、健康経営優良法人の認定取得や「ホワイト500」「ブライト500」の取得は、従業員の健康を大切にする企業の姿勢を広く社会にアピールするきっかけとなり、ワークライフバランスを重視する求職者が集まりやすくなります。結果、人材の確保がしやすくなるという点に、各企業が今、注目を集めているのです。

「健康経営優良法人」の大規模法人と中小規模法人は、何を基準にわけるのか

大規模法人部門と中小規模法人部門、どちらの部門になるかは、申請時点における「常時使用する従業員」の人数から決められています。「常時使用する従業員」とは「予め解雇の予告を必要とする者」に当てはまる人を指します。また、この「常時雇用される従業員」は、必ずしも正社員に限りません。一定の条件を満たしたパートタイム労働者やアルバイトでも「常時雇用する従業員」として該当する場合があるため注意しましょう。人数は業種ごとに異なり、それぞれの人数は下記のように定められています。

大規模法人部門中小規模法人部門
製造業その他301 人以上1人以上 300人以下
卸売業101人以上1人以上 100人以下
小売業51人以上1人以上 50人以下
サービス業101人以上1人以上 100人以下
申請時点における「常時使用する従業員」の人数

自社がどの業種に当てはまるのかは、総務省の「日本標準産業分類」でも確認することができます。迷った際は確認してみましょう。

「健康経営優良法人」認定に向けた大規模法人・中小規模法人部門それぞれのステップ

大規模法人部門、中小規模法人部門では認定プロセスに違いがあります。

大規模法人部門の場合

①「健康経営度調査」に回答する

健康経営度調査とは、健康経営銘柄や健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定に向けた基礎情報の取得、さらに法人の健康経営の取り組み状況と経年での変化の分析を目的に実施する調査です。健康経営度調査を受けるには、経済産業省の健康経営優良法人の申請についてのページから登録をおこない、新規申請用のIDを発行する必要があります。

②回答の結果をもとに、認定基準の適合可否チェック

回答結果をもとに、健康経営優良法人(大規模法人部門)の要件に適合しているかが判定され、健康経営度調査のフィードバックシートが送付されます。フィードバックシートとは健康経営の実践レベルなどを分析した評価結果のことです。認定基準に適合している場合には「申請書及び誓約書等」が同封されます。

③保険者との連名により「申請」を行う

健康経営優良法人(大規模法人部門)の申請書を作成して、加入している保険者との連名で健康経営優良法人認定事務局(現在は日本経済新聞社)へ申請します。

④健康経営優良法人の認定委員会による審査/日本健康会議による認定

申請後には健康経営優良法人認定事務局による審査が実施され、問題がなければ日本健康会議による認定が行われます。認定の発表は例年3月に実施され、翌年の3月31日までが健康経営優良法人認定の有効期間となります。

中小規模法人部門の場合

①「健康宣言」事業に参加する

健康宣言とは、経営者が従業員やその家族の経営管理を経営課題として認識し、組織として対策に取り組むことを明文化して意思表示することです。健康宣言事業への参加申込書を加入している協会けんぽなどに提出することから活動がスタートします。協会けんぽの支部によっては健康宣言事業に申し込むだけでなく、活動後に支部が所定する認定を受けないと健康経営優良法人への申請ができない場合もあるので注意しましょう。

②健康経営の体制整備と取り組みの実践

経営層全体で健康経営の必要性を共有し、担当者・担当部署を設置します。とくに「健康づくり担当者」の設置は、健康経営優良法人の中小規模法人部門の認定要件で必須項目になっているので設置が必須です。健康経営優良法人の認定には、すべての事業場において健康づくり担当者を1名以上設けることが求められています。体制づくりが完了したら、健康経営優良法人の認定要件を満たす取り組みを行います。認定要件には必須項目と、複数の要件から一定数を満たせばよい項目があるので、まずは必須項目の達成から目指すとよいでしょう。なお、ブライト500を取得したい場合は、通常の申請よりも多くの認定要件を達成しなければなりません。

③「健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書」を提出

申請ができる時期(8月下旬~10月頃)になったら、日本経済新聞社の健康経営優良法人の申請についてのページで新規申請用のIDを発行し、健康経営優良法人申請の専用サイトにログイン。健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書をダウンロードします。

④健康経営優良法人の認定委員会による審査/日本健康会議による認定

申請後には健康経営優良法人認定事務局による審査が実施され、問題がなければ日本健康会議による認定が行われます。認定の発表は例年3月に実施され、翌年の3月31日までが健康経営優良法人認定の有効期間となります。

まとめ

健康経営優良法人の認定は企業のブランディングだけにとどまらず、従業員の離職防止にも大きく期待できるので、大企業・中小企業ともに認定を目指すことは健康経営推進に向けた重要なタスクだといえるでしょう。自社に合わせた認定条件やフローをしっかりとチェックしておくことが大切です。

<参考URL>

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