健康管理システムの補助金は使える?導入に向けた補助金の活用と注意点を解説

従業員の健康管理は、企業の持続的な成長に欠かせない要素です。しかし、「システム導入のコストが気になる」「補助金を使って安く導入したい」と考えている担当者も多いのではないでしょうか。
確かに補助金は有効な手段ですが、実は「補助金対象のツールを選ぶと、かえってトータルコストが高くなる」というケースも少なくありません。
本記事では、健康管理システムで使える主な補助金情報の紹介に加え、補助金に頼らずとも費用対効果を最大化する「賢いシステムの選び方」について、実務上のリスクやコスト試算を交えて解説します。「補助金申請の手間ゼロ」で「導入コストを回収できる」、賢いシステムの選び方をぜひ持ち帰ってください。
1. 健康管理システムの概要と重要性
働き方の変化とともに、従業員の健康管理手法も進化しています。まずは、健康管理システムがどのようなものか、その定義と導入が求められる背景を整理します。
1-1. 健康管理システムとは何か
健康管理システムとは、従業員の健康診断結果やストレスチェックの結果などの情報をデジタル化し、一元管理するためのツールや制度を指します。 従来、紙やExcelで管理されていたデータをシステム化することで、小規模な事業場から大企業まで、保健指導や労務管理の効率化を図ることが可能です。
主な機能と用途は以下の通りです。
- 健康データの収集・管理: 健康診断結果やストレスチェック回答をPCやスマートフォンから入力・取り込みます。
- 産業医・医療機関との連携: 産業医面談の案内や予約管理、医療機関への情報提供を円滑に行います。
- 分析・レポート機能: 部署ごとや個人の健康推移を可視化し、組織全体の傾向を把握します。
従業員が専用のサイトにアクセスして自身の健康状態を確認できるなど、幅広く活用されており、時間や場所を問わず健康意識を高められます。
1-2. 健康管理システムの導入が求められる背景
健康管理システムがこれほどまでに必要とされる背景には、深刻化する労働力不足と健康課題があります。特に2026年を迎え、現実のものとなった少子高齢化社会において、従業員が長く健康に働ける環境づくりは企業の急務といえます。
- 業務の複雑化: 労働安全衛生法に基づく提出書類の作成や、健康診断結果の管理業務は年々増加しています。通常のアナログ管理では限界が生じやすくなっています。
- 医療DXの進展: 電子カルテの普及や医療データの利活用が進むなか、企業側にもデータ連携ができる体制が求められています。
- データドリブンな健康経営®: 最大の効果を出すためには、データを蓄積するだけでなく、詳細な分析を行い、具体的な施策に落とし込む必要があります。
効率的かつ戦略的な健康管理を行うために、システムの導入は不可欠な選択肢となっているのです。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
2. 健康管理システム導入のメリット
システムを導入することは、単なるペーパーレス化以上の価値を企業にもたらします。ここでは主な3つのメリットを解説します。
2-1. 業務効率化とコスト削減
最大のメリットは、煩雑な事務作業の効率化による「人件費(見えないコスト)の削減」です。 健康診断の予約手配から結果の入力、産業医面談の調整といった事務局の業務は膨大です。システムを導入することで、これらの業務フローを自動化・構築し、生産性を大幅に向上させることが可能です。
- 経費の削減: 紙の印刷代や郵送費、保管スペースにかかる費用などの経費を削減できます。
- 人的リソースの最適化: 定型業務をシステムに任せることで、担当者はより付加価値の高い業務(健康施策の企画など)に時間を割けるようになります。
2-2. 従業員の健康リスク管理
従業員の心身の不調を未然に防ぐためには、継続的な管理と対策が重要です。システムを活用すれば、以下のようなリスク管理が容易になります。
- ハイリスク者の抽出: 健康診断やストレスチェックの結果から、再検査が必要な従業員や高ストレス者を即座に一覧化できます。
- 施策の実施と記録: 産業医面談の予約や、研修の受講状況などをシステム上で完結させ、履歴を残せます。厚生労働省の指針に基づいた適切な対応が可能です。
2-3. 企業イメージの向上と従業員満足度
健康管理システムの導入は、「従業員を大切にする企業」というブランディングにも寄与します。特に、経済産業省が推進する「健康経営優良法人」などの認定を目指す場合、データの整備・活用は必須要件の一つです。
- 採用力の強化: 「健康経営」への取り組みは、求職者への強力なアピール材料となり、企業イメージの向上につながります。
- 定着率の改善: 従業員が健康で活き活きと働ける組織風土を醸成することで、離職率の低下や満足度の向上が期待できます。
3. 補助金制度の活用方法と知っておくべきリスク
システム導入の費用負担を軽減するために、補助金の活用を検討する企業は多いでしょう。ここでは主要な制度を紹介しつつ、「補助金活用に潜むリスク」についても詳しく解説します。
3-1. IT導入補助金の概要
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者が自社の課題解決のためにITツールを導入する際の経費を一部補助する制度です。 健康管理システムの多くは「通常枠(A類型など)」に該当するケースが多く、ソフトウェア購入費やクラウド利用料(最大2年分)が補助対象となります。
- 補助率: 1/2など(枠により異なる)
- 注意点: 事前に事務局に登録された「認定ツール」でなければ申請できません。
※最新の公募要領にて、健康管理システムが対象となる枠(通常枠など)をご確認ください
3-2. 働き方改革推進支援助成金・人材開発支援助成金
システムの導入目的によっては、厚生労働省管轄の助成金が活用できる場合があります。
- 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース): 勤怠管理とセットで健康管理を行い、生産性向上によって残業時間を削減する場合などに活用可能です。
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース): 新たなシステム導入に伴い、従業員に対して操作研修などを行う場合、その経費や賃金の一部が助成される可能性があります。※単なる操作研修では対象外となるケースもあるため、必ず社労士や労働局へご確認ください。
※2026年度の最新の公募要領をご確認ください
3-3. 自治体やその他の補助金
国が行うもの以外にも、各自治体が独自にDX支援や健康経営支援の補助金公募を行っている場合があります。「○○県 健康経営 補助金」などで検索し、自社の所在地で使える制度がないか確認してみましょう。
3-4. 【重要】「補助金ありき」で選ぶ際のリスクと注意点
補助金は魅力的に見えますが、安易に「補助金対象だから」という理由だけでシステムを選ぶと、失敗するリスクがあります。以下の3点は必ず押さえておきましょう。
①補助金活用時には『トータルコスト』の観点が重要
補助金が活用できるからと言って、必ずしも『トータルコストが安くなる』というわけではありません。元の価格が高ければ、補助金を使わない安価なツールより導入数年後の支払総額(特に2年目以降のランニングコスト)が高くなるケースもあります。健康管理システムは基本的には継続的に活用するツールであるため、数年単位でのトータルコストを考慮して選定することが重要です。
②選択肢が狭まり、ミスマッチが起きる
例えば「IT導入補助金の認定ツール」の中から選ぼうとすると、選択肢が大幅に限定されます。その結果、自社には不要な機能がついた高額なシステムを選ばざるを得なくなったり、本当に自社の課題にマッチした使いやすいツールを見逃したりする可能性があります。
③申請の手間と不採択リスク
補助金申請には、事業計画書の作成など膨大な工数がかかります。また、苦労して申請しても必ず採択されるわけではありません(採択率は年度や枠により変動します)。 不採択だった場合、計画が白紙に戻るだけでなく、申請にかけた時間も無駄になってしまいます。
4. 補助金なしでも費用対効果が高い健康管理システム!失敗しない選定ポイント
では、本当に賢いシステム選定とはどのようなものでしょうか。重要なのは「補助金の有無」ではなく、「導入後の業務コストがどれだけ下がるか(ROI)」です。
4-1. 「業務削減コスト」で選ぶ視点(シミュレーション)
システム導入の費用対効果を測る際、最も注目すべきなのが「削減できる人件費」です。安価で高機能なシステムを選べば、補助金の手間をかけずに1年目から黒字化することも可能です。
【従業員300名企業のコスト削減シミュレーション例】 アナログ管理(紙・エクセル)で、健康診断業務に年間200時間かかっていると仮定します。
- 導入前: 200時間 × 時給2,500円 = 50万円のコスト
- 導入後(工数削減率87%の実績がある『ハピネスパートナーズ』の例): 作業時間はわずか26時間に短縮 → 26時間 × 2,500円 = 6.5万円
⇒ 年間で「43.5万円」のコスト削減効果!
このように、業務効率化効果の高いシステムを選べば、補助金申請のリスクを負わなくても、確実にコストメリットを享受できます。
4-2. 自社のニーズに合った機能とセキュリティ
コスト以外の基本的な選定ポイントも確認しておきましょう。
- 機能の過不足: 「ストレスチェックだけやりたい」「健診管理も一元化したい」など、目的に合ったプランがあるか。
- セキュリティ: 従業員の機微な個人情報を扱うため、ISMS認証の取得や、通信の暗号化など、万全のセキュリティ体制があるかを確認してください。
4-3. 導入後のサポート体制
システムは導入して終わりではありません。初期設定の代行や、運用定着までのサポートが手厚いベンダーを選ぶことで、担当者の負担を最小限に抑えられます。
まとめ:補助金に縛られず「本質的なコスト削減」を目指そう
健康管理システムの導入において、補助金は一つの手段ではありますが、目的ではありません。「補助金がもらえるから」ではなく、「自社の業務が一番楽になり、トータルコストが安いから」という基準で選ぶことが、成功の鍵です。
エムスリーヘルスデザインの「ハピネスパートナーズ」は、補助金申請のような複雑な手続きは一切不要。継続しやすい料金でありながら、健康診断の予約管理や未受診者へのリマインド、労基署への報告書作成などを自動化し、健康管理業務の工数を最大87%削減(※1)した実績があります。
「補助金対象ツールと比較して、結局どちらが安いのか知りたい」「どれくらい業務が楽になるか試算したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※1:エムスリーヘルスデザイン調べ
ハピネスパートナーズについて知りたい方はこちら
参考文献
- 経済産業省「健康経営優良法人認定制度」 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhoujin.html
- 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html
- IT導入補助金事務局「IT導入補助金」公式サイト https://it-shien.smrj.go.jp/
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